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国会で、居眠り、おしゃべり、携帯に夢中、金権、選挙違反も数えあげればきりがない。国民に犠牲を強いる悪法を次々と成立させる。「こんな国会議員ならいらない」と思われる方もいらっしゃるでしょう。だから「議員定数削減」なのでしょうか?
「いまの政治は国民の意思を反映しているか」の問いに対し、7割以上の人が「反映していない」と答えています。問題は、国会議員が国民が望む政治をしていないことが問題であって、定数を削減すれば解決する問題ではありません。
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実態は日本が最ももっとも少ない
日本の国会議員は多すぎるのでしょうか?とんでもありません。多いどころか、先進国G7のなかで下院(衆院)議員数を見ると、日本は国民100万人あたり4.0人、イギリスは11.1人、イタリアは11.0人、フランス9.7人…です。アメリカは1.5人ですが、各州の権限が大きく、州に上下院議会があり、州下院議員は5000人以上。実態は日本が最も少ない国です。北欧のスウェーデンやフィンランドは一院制ですが、スウェーデンは100万人あたり39.4人、フィンランドは38.8人と高くなっています。
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民主党は4割台の得票で3分の2の議席に
衆議院の定数は小選挙区300人、比例代表180人です。
民主党が提案している比例定数が80削減された場合、2009年の総選挙結果で試算してみると、公明党・共産党・社民党・みんなの党・国民新党・新党日本の6つの政党は比例の得票での得票率は合わせて29.5%で、小選挙区と合わせて46議席でした。80議席削減されると6党の議席は25議席に減小し、議席占有率はわずか6.25%になってしまいます。一方、民主党は42.41%の得票率で68.5%と3分の2を超える議席占有率となります。大政党に有利となり、国民の多様な声は無視されます。
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大企業中心の政治をすすめる民主党などは、法人税の5%減税や消費税増税を打ち出しています。比例定数の削減は「無駄の削減」ではなく、本当のねらいは、「消費税の増税」「憲法9条の改悪」にあります。
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ムダを減らす、というなら、制度導入以来、国民の税金を5038億円も使い込んできた政党助成金をまずやめることです。
衆院議員80人の削除で56億円分の経費は減りますが、これは政党助成金320億円の6分の一に過ぎません。
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民主党は「1票の格差」を是正するためとして、参院の現行選挙区・比例区を廃止し、全国を11ブロックの大・中選挙区とし、総定数を現行より42減らす等3案を提示するとともに、当面衆議院の比例定数80削減を実現し、「将来的には完全小選挙区とする」という重大なねらいを明確にしました。
世界的に見れば比例代表制が大きな流れになっており、単純小選挙区制または小選挙区中心の国はごく一部に限られています(OECD加盟国で下院の選挙区がすべて小選挙区制の国は、イギリス、アメリカ、フランス、カナダ、オーストラリアの5カ国)。
小選挙区比例代表並立制の小選挙区はたくさんの「死票」がでて、表のように得票率と議席占有率の差が大きくなります。比例定数を削減することは、限りなく単純小選挙区制に近くなり、多様な民意を切り捨てることになります。
国会議員を選ぶ制度は、国民主権の原理に基づき、比例代表制のように多様な民意を公平・公正に反映するものでなければなりません。
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