派遣 これは違法
あなたの職場にありませんか
こんな「派遣」は禁止されています
許可・届け出のない派遣
派遣事業を行う者は、厚生労働省大臣の許可あるいは、届出を出さなければなりません。これに違反したときは罰則があります。
無許可・無届の派遣会社は利用しない・させないように点検運動を。
長期派遣
派遣労働は職種によって派遣期間が決められており、(2〜3ページ参照)、それをこえての派遣は禁止されています。
職場の派遣労働者が長期にわたって派遣されていないか点検しましょう。
対象業務以外への派遣
法改正で製造業も派遣労働の対象になりましたが、特定の業務(建設・港湾・警備等)は行えないことになっています。(2〜3ページ参照)
二重、三重派遣
派遣先からさらに別の派遣先へ派遣されることを、二重派遣と言います。これは「中間搾取」が大きな問題となり、違法です。派遣では使用者責任をあいまいにしないために雇用主である派遣元と使用者としての派遣先の二者しか認めないのが原則です。実際には脱法するため「出向」などの形式が使われている場合があります。
派遣と派遣店員の違い
デパートや量販店などで、派遣によく似た派遣店員と呼ばれる雇用形態があります。派遣元が雇用し、派遣元が指揮命令して就業します。この場合、派遣先は労働者を指揮命令しないことになっており、もし、派遣先が実際に指揮命令をするとき、例えば、派遣先が、派遣店員の労働時間や出退勤を管理するときには違法派遣となります。
偽装出向
今、問題とされている「偽装出向」には、2タイプあります。(1)実態は派遣であるのに出向を偽装しているものと、(2)偽装請負を隠すための出向です。前者(1)は出向を行なうことを目的に人を採用し、出向を反復継続して利益をあげているもので、禁止されている労働者供給事業にあたります。もうひとつは、(2)偽装請負を隠すため、技術指導などと称して、請負会社の工場へ発注先会社の労働者を大量出向させるというものです。(2)については松下の正社員が請負会社に大量出向していた問題で、厚生労働省は、出向の実態が職安法違反の労働者供給事業にあたると判断、松下に是正を求めて行政指導する予定です。
偽装請負は受け入れ企業にも罰則適用
「派遣と請負の区分」告示の要件を満たしていない偽装請負は、違法です。
また、行政指導としての指導、助言、勧告に従わないと公表され、最終的には職安法に違反して労働者の供給を受けた企業も罰則の適用を受けます。
もっぱら派遣は正規との代替手段
金融関係企業の62・2%は、100%出資の派遣子会社を持っています(金融保険庁の銀行調査)。これらの派遣会社は、インハウス派遣(=もっぱら派遣)といって、特定の企業(親会社)にのみ派遣するためにつくられた会社です。このようなもっぱら派遣は公然とピンハネを許し、正規との代替をすすめる手段として使われており、違法となっています。
契約社員とは
さまざまな雇用形態が増えていますが、契約社員という名の非正規雇用も増大をしています。法律的には「契約社員」という特別な用語は存在しませんが、会社によって「嘱託社員」「準社員」などさまざまな呼称があり、パートやアルバイトも含む場合があります。
契約社員も労働基準法の適用を受けます。
また、契約社員といいながら、フルタイム労働で正規労働者と同様に就労しているケースが多く見られ、そのほとんどが有期雇用契約です。最近は契約社員だけ年俸制がとられているケースもあります。労働者を安く使う便宜的な方法として契約社員という雇用形態が活用されているのは重大な問題です。
日本では多くは直接雇用ですが、中には、労働者であるにもかかわらず、労働法や社会保険の適用をまぬがれるために、「個人事業主」にしている場合もあり、「労働者性」の判断がかかせません。
|
労働者供給事業とは
労働者供給とは、いわゆる「人貸し」のことで、実際に働く職場の使用者ではない第三者が中間に介在する間接雇用の一つの形態です(職安法第5条労働者供給の定義)。職業安定法第44条(労働者供給事業の禁止)では「何人も、次条(第45条)に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない(※1)」となっています。
1986年施行の労働者派遣法(1985年制定)は、この職安法第44条を修正し、特定の対象業務に限って「労働者派遣」を合法化しましたが、現在は対象業務が原則自由化され、本来の例外措置が一般化されてしまいました。
※1 労働組合は供給事業ができる
同法第45条では「労働組合が労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる」と認めています。
|
|