メーデー
「戦争と貧乏をなくせ」第79回中央メーデーは5月1日、五月晴れの東京・代々木公園で開催。44,000人が参加した。この日は全国357か所でメーデーが開催され、25万人が決起した。
メインスローガンは「なくせ貧困と格差。働くルールの確立。労働時間短縮で雇用の拡大を」「ストップ!改憲、海外で戦争する国づくり。米軍基地の再編・強化反対」「許すな!増税・医療改悪。安心して暮らせる国民本位の政治実現を」の3本。参加者は、「後期高齢者医療制度を中止しろ」「福祉に予算を」「看護師を増やせ」「都立病院の公社化はやめろ」「貧困をなくせ」「教育に予算を」「無利息の奨学金制度を拡充しろ」「守れ9条」など、サンバイザーに貼り付けたハート型の紙や、プラカード、横断幕など様々に工夫を凝らして要求を持ち寄り、アピールした。
主催者あいさつで全労連の坂内三夫議長は、格差と貧困を作りだす新自由主義に対する労働者国民の反撃が世界中で巻き起こっていると述べた。また、貧困の根底には労働者の貧困があり、雇用と賃金の改善なしに格差と貧困は解消できないと強調。さらに高齢者の人間としての尊厳を傷つける後期高齢者医療制度を厳しく批判した。値上げラッシュが国民生活を襲っている中、ガソリン税の再値上げをし、消費税増税をたくらむ自公両党への怒りをあらわにし、政治を変えてこんな税金の取り方、使い方を根本から変えようと訴えた。「労働者の働かせ方を改善せよ」「後期高齢者医療制度を撤回せよ」「日本農業と地球環境を守れ」「中小・零細企業の暮らしと営業を守れ」の声は圧倒的な世論となっていると述べ、読売新聞の調査でさえ「憲法守れ」の世論が改憲賛成を上回り、名古屋高裁は自衛隊のイラク派兵を憲法違反であると断罪したと報告。世界と日本から戦争と貧乏をなくすためにともにたたかおうと呼びかけた。
3月23日に開催された米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する沖縄県民集会の玉寄哲永実行委員長が連帯あいさつ。米兵の事件の本質は日本にアメリカの基地があることだと述べ、「皆さんと一緒に沖縄から国の流れを変えていきたいとの思いできました。お力を貸してください」と訴えた。
また日本共産党の志位和夫委員長が、道路特定財源の10年延長中止と派遣労働者保護法制定、後期高齢者医療制度の廃止、名古屋高裁判決を受け政府に速やかにイラクからの自衛隊撤退求めるなど、貧困と戦争をなくすためにともに力を合わせようと連帯あいさつをした。
団体決意表明では全労連の非正規労働者全国センター準備会から、パート・臨時労組連絡会副代表の川西玲子さん(自治労連副委員長)が、「私たちのナショナルセンターに非正規労働者の要求運動と組織化を支援するセンターができたことを大変うれしく思う」と全労連非正規センター結成への動きを報告。非正規労働者がいま、全国で労働組合に結集して闘い始めている。青年・女性の5割、全労働者の3割を超えた非正規労働者が自らの要求を掲げ多くの労働者と団結した時、この国はかわることを確信して仲間を増やし、全力で奮闘すると決意表明した。
日本医労連の高橋睦子さんが後期高齢者医療制度廃止とともに、「新人もベテランももう限界」と現場の人員不足の状態を訴え、医師・看護師の増員を求めた。医師・看護師の増員と地域医療の拡充を求める自治体決議は全自治体の約半数、また110名を超す国会議員が賛同し、請願署名の紹介議員になっていると報告。無駄な税金の使い方を変えて医療、社会保障を守れと訴えた。
憲法改悪阻止各界連絡会の常任幹事の島田直樹さん(民主青年同盟)が名古屋高裁の自衛隊のイラク派兵は憲法違反とした判決と読売新聞の憲法改悪反対が過半数を占めた世論調査にふれ、草の根の運動が反映していると述べた。高裁判決や世論を力に、派兵恒久法制定作業の即時中止と自衛隊の即時撤退を求め全国津々浦々から運動を起こそうと呼びかけた。
続いてメーデースローガンとメーデー宣言を採択し、閉会あいさつと団結ガンバロー、会場全体で「ガンバロー」を歌って式典を終了した。参加者は3コースに分かれ、新宿、恵比寿、明治公園に向けてデモ行進をした。
|