憲法を活かし、暮らしをまもろう
なくせ貧困!ストップ改憲5・30中央行動を終日展開
全労連は5月30日、国民春闘共闘、東京地評などとともに、終盤国会をにらみ、憲法9条と25条を活かして生活危機打開をと終日都内で行動した。
最低賃金引き上げと派遣法改正求め早朝から行動
―駅頭宣伝と厚労省、経済団体要請―
朝は8時から渋谷、池袋、新橋、九段下の各駅でチラシを配布しながら、最低賃金引き上げと派遣法改正、公務員の賃金改善を訴えた(渋谷・新橋は8:30から)。4駅合計で160人が参加し、1時間で2500枚のチラシをまききった。その後、厚生労働省をはじめ、日本経団連や日本商工会議所、全国中小企業団体中央会へ要請・懇談を行った。
官・民労働者が賃下げの悪循環解消を訴え、厚生労働省・人事院前で共同行動
最低賃金引き上げと働くルールの確立、公務員賃金底上げを求めて
昼過ぎから厚生労働省前と人事院前に、最低賃金と公務員の待遇改善を求める官民労働者が続々と結集。官民賃金引き下げの悪循環を断ち切り、共同のたたかいで最低賃金を引きあげ、公務員賃金を底上げしようとエールを交わした。
主催者あいさつで全労連の小田川事務局長は「労働者派遣法改正や後期高齢者医療制度廃止法案の提出など法改正の流れが広がっている。改正最低賃金法が7月から施行されるなか、改正最低賃金法の大幅引き上げへ官民一体で奮闘しようと」と呼びかけた。全労連全国一般・東京地本の室井委員長と京都総評の辻さん、パート臨時労組連絡会・長岡代表が中小企業や地方労連、非正規の仲間のたたかいを紹介しながら最低賃金引き上げにむけた決意を表明。
続いて人事院前にマイクが回され、国公労連・全建労の篠原関東地本書記長、自治労連秋田県本部・羽後町職労の土田書記次長が次々マイクを握り、公務サービスの拡充、憲法改悪阻止や、最賃引き上げなどを訴えた。閉会あいさつでは、公務労組連絡会の大黒議長が「この一ヶ月間の憲法キャラバンの取り組みの中で、各自治体では共通して三位一体改革への怒りの声が上がっている。こうした状況に確信を持って、最低賃金引き上げ、公務員の賃金改善へ粘り強く頑張ろう」と呼びかけた。
その後、参加者は財務省前と内閣府財政諮問会議前で、公務公共サービス、年金・医療の拡充と、社会保障の財源は消費税増税ではなく軍事費削り大企業優遇税制を見直せと訴えた。
守り活かそう憲法9条25条!後期高齢者医療制度中止・撤回、生活危機突破
なくせ貧困!ストップ改憲 5・30総決起集会
午後2時から日比谷野外音楽堂で開催されたメイン集会は、憲法キャラバン行動の終結集会も兼ねて行われ2000人が参加した。舞台そでに憲法署名や働くルール署名がうずたかく積み上げられた。
憲法9条・25条を活かす運動の前進を―主催者あいさつ
主催者あいさつで坂内三夫全労連議長は「今日の情勢の最大の特徴は、運動が世論を作り、世論が政治を動かす局面であることだ」と述べ、青年をはじめとする多くの労働者の闘いが、派遣労働者の直接雇用や、マクドナルドやセブンイレブンの名ばかり管理職を改め残業代を支払うなどの動きを作り出してきたこと。また、被災者支援法の改正や、4野党そろっての後期高齢者医療制度の廃止法案提出、相次ぐ原爆症認定裁判の勝利。そして、憲法守れの国民世論が過半数に達し、政府にクラスター爆弾禁止条約を批准させたことなど、この間の労働者・国民のたたかいの成果をあげた。「後期高齢者医療制度の廃止や派遣法の抜本改正、最賃の大幅引き上げなど、憲法9条・25条生かす運動をさらに前進させ、戦争も貧乏もない社会をつくろう」と参加者に呼びかけた。
大企業から国民生活に経済政策の軸足を―穀田恵二国会議員があいさつ
日本共産党の穀田恵二衆議院議員は連帯あいさつで、「道路特定財源の強行など、民意を無視する福田内閣に政治を任せるわけにはいかない」と発言。「貧困と格差拡大の背景に労働法制の自由化と派遣法改正があることは明白であり、野党4党は派遣労働者保護法の協議に入る。また後期高齢者医療制度反対の声は燎原の火のように広がり、昨日、野党4党の廃止法案が提出されたと述べた。この間、政府は9年連続で庶民増税を行い、儲かっている大企業に減税を続けている」と批判し、「大企業から国民生活に経済の軸足を移すことが必要だ」と述べた。そして、自衛隊のイラク派兵に対する名古屋高裁判決について、「イラクでの自衛隊の活動を丁寧に検証したうえで、9条はもちろん特措法にも違反していると断罪し、平和的生存権は基本的人権の基底的権利であるとした」と評価。「すべての基礎にある憲法を守り活かす運動を」と訴えた。
憲法9条はお得「絶対憲法を変えてはいけない」という世論へ―小森陽一さん
9条の会事務局長で東大教授の小森陽一さんは来賓あいさつで、今年の憲法記念日の各新聞の世論調査では、朝日も読売も改憲反対が改憲賛成を上回ったことをあげ、「9条の会結成(2004年6月10日)から4年かけて、私たちは改憲反対が改憲賛成を上回る状況を作り出してきた」と述べた。そして、読売新聞で改憲反対が賛成を上回ったのは15年ぶりだが、15年前というのは、92年PKO法案が成立、93年に夏の総選挙で自民が大敗、細川政権が誕生し55年体制が崩壊した年だ。読売新聞が社をあげて国際貢献には9条が邪魔、新憲法を作ろうとキャンペーンを張り、世論調査では65%が憲法を変えるべきと言っていたと紹介した。さらに、「憲法を変えない方がよい」から、「絶対憲法を変えてはいけない、9条を活かした政治を」という世論に変えていこうと訴えた。また、社会保障や医療費を削減しながら、日米安保条約を口実に一体いくらアメリカに貢いでいるのかと批判。ノーベル賞経済学者スティグリッツの『世界を不幸にするアメリカの戦争経済』で、イラク戦争が原油高を招き、アメリカが費やしたイラク戦費は3兆ドルもかかったことを紹介。そして「9条を掲げて、戦争に加担しなければお得なんです!9条を掲げてしっかり商売しましょう!」と呼びかけると会場は拍手喝さいとなった。
憲法署名100万名を超えた―道労連
リレートークで憲法キャラバン活動を報告した多賀三雄・しまね労連議長は、首長からの賛同が相次いだことを紹介し、「県民過半数をめざす署名運動に力を入れる」とのべた。坂本雅美・道労連青年協議長は、「北海道では憲法を守る署名が100万人を超えた。一人ひとりの力を集めれば大きな力になる」と訴えた。篠塚多助・年金者組合委員長は後期高齢者医療制度について、「高齢者が生きることに最後通告をつきつけるもの。廃止するまでたたかい抜く決意だ」と語った。
集会後、参加者は「最低賃金を1000円以上に引き上げろ」「公務員賃金を改善せよ」「後期高齢者医療制度は中止・撤回しろ」などとシュプレヒコールをあげながら国会にむけてデモ行進した。
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