格差と貧困克服、人間らしい働き方実現めざし、熱心に討論
〜仙台で第16回 パート・臨時・派遣で働くなかまの全国交流集会開催〜
全労連パート・臨時労組連絡会と、非正規雇用労働者全国センター(準)は5月24〜25の両日、第16回パート・臨時・派遣で働くなかまの全国交流集会を宮城県仙台市で開き、450人が参加した。
集会ではパート・臨時労組連絡会の長岡佳代子代表があいさつ。雇い止め阻止や、均等待遇実現のとりくみを報告。改正パート法は短時間勤務を理由に差別することを初めて禁止した。活用を進めると同時に、家庭を大事にしながら普通に働けばちゃんとしたお給料をもらって生活できる社会をつくろう。「最賃闘争で『時給千円』というせめてもの願い実現へ向け、今非正規労働者の出番だ」と呼びかけた。
全労連岩田幸雄副議長が今夏に正式発足する非正規雇用労働者全国センターについて、「『ディーセントワーク』の実現という国際労働運動の流れに合致。明日の労働運動をつくるチャンスだ」と強調した。
シンポジウムでは、NHK番組「ワーキングプア」の1シーン、古雑誌を売って暮らしていた若者が自治体のホームレス支援で仕事を始め、人とのつながりを通じて人間らしい感情を取り戻す姿が放映された。制作にあたったチーフプロデューサーの春原雄策さんが、「彼は最初、『何のために生きているかわからない』と刹那的に、絶望を客観的に語るのが印象的だった。」と述べ、「それが、次に会った時は同じホームレスの仲間に誘われて仕事を始めていて、あれだけ表情が変わった」と発言し会場の涙を誘った。さらに「ワーキングプアは自己責任ではない。人間の尊厳にかかわる働き方の問題。働くことの価値、意味をないがしろにしてきた社会の問題だ」と強調した。
ワーキングプア問題に取り組むイギリスの制度を紹介。若者に職業訓練を受けさせ、技術を身につけるまでの生活費を保障、就職するまで見守る制度がある。イギリスでできて、なぜ日本でできないのかと問題提起した。
自治労連関連協の川西玲子副代表が、自治体で働く非正規労働者の官製ワーキングプアともいえる待遇を訴えた。保育や清掃、図書館、病院など、「50兆円市場」とされる自治体サービスの民間開放が進むなか、自治体の仕事は「安ければ安いほどよい」のか、と公務労働の質と自治体の責任について問題提起した。さらに、要求を実現するためには労働組合を強く大きくすることが必要として、「仲間作りに総力をあげよう」と呼びかけた。
パートや派遣、公務非常勤、福祉職場、県労連など、各地の非正規労働者の処遇改善のとりくみが報告された。
集会後参加者は杜の都仙台市内をパレード。商店街の中をプラカードをかかげ、ハンドマイクで、最低賃金引き上げなどを訴えた。商店街を行きかう若者が手を振って応援してくれ、大いに励まされた。2日目は改正パート法の活用や均等待遇、最低賃金など6つの分科会に分かれ、討論を深めた。
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