労働者派遣法の抜本改正求め、厚労省前で要請行動
労働者派遣法の改正法案提出に向けた「労働政策審議会職業安定分科会労働力需給調整制度部会」が7月30日、午前10時より開催された。全労連と労働法制中央連絡会は同日9時から、部会の行われる厚生労働省前で要請行動を行い、約100人が参加した。
中央連絡会の宮垣忠事務局長は「派遣で働く労働者は320万人を超え、その7割以上が雇用が不安定で低賃金の登録型派遣である。日本を代表する大企業においてすら、偽装請負・違法派遣、労災隠し、二重派遣などの違法行為が常態化しており、派遣労働は、いま、不法・無法の巣窟となっている」と指摘した。そして「派遣法の改正では『労働者派遣は、臨時的・一時的業務について行われるものであり、常用代替として行われてはならない』という大原則を明記したうえで、1999年の原則自由化以前にもどすべきだ。常用型派遣を基本とし、登録型派遣を例外として厳しく規制。日雇い派遣を禁止することが必要だ」と述べた。さらに「厚生労働者が研究会報告で日雇い派遣禁止などを求めたのは一歩前進だが、登録型派遣をどう規制するかは明記していない」として、抜本的な法改正を強く求めた。
全労連労働法制闘争本部の生熊茂実本部長(全労連副議長)、自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士、新日本婦人の会の古田和子さんなどが次々マイクを握り、派遣法の抜本改正を訴えた。行動終了後9時半からは、連合が派遣法の抜本改正を求める要請行動を行った。
7月28日に日雇い派遣の原則廃止などを盛り込んだ「今後の労働者派遣制度のあり方に関する研究会」報告が出されている。労働政策審議会職業安定分科会労働力需給調整制度部会はこの報告を受け、国会への法案提出めざして審議を進めていく。
報告書では、派遣労働は「雇用の安定、待遇の改善、違法派遣への対処で課題がある」とし、「常用雇用の代替防止を前提として臨時的・一時的な労働力需給調整システム」の位置づけは維持するとしている。また日雇い派遣について「労働者保護の観点から禁止すべきである」と指摘。違法派遣に関与した派遣先に対し労働者への直接雇用申し入れ義務を課し、行政に勧告する権限を設ける制度を提起するなど、一定の改善面を打ち出している。その一方で登録型派遣について雇用申し入れ義務を外すなどの問題点もあり、抜本的な法改正へ向けてさらなる運動強化が必要だ。全労連は報告について29日、談話を発表した。
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