派遣切り許さない！派遣法の抜本改正を！
党派、潮流超え幅広く
日比谷野外音楽堂に2000人超

　「日雇い派遣を禁止しろ！」「使い捨ては許さないぞ！」「抜本改正を勝ち取るぞ！」労働組合と市民、弁護士、派遣労働者ら2000人超の声が一つになって日比谷の空にこだました。佐高信さん、鎌田慧さんなど知識人の呼びかけで、潮流の壁を超え、多くの労働組合と市民、派遣労働者ら2,000人が集まって、12月4日、派遣法抜本改正を求めて集会を行った。

4野党の代表が抜本改正に向けて決意
　集会には４野党から国会議員が出席した。民主党の菅直人代表代行、日本共産党は志位和夫委員長ほか7人、社民党は福島瑞穂党首ほか6人と国民新党の亀井亜紀子参議院議員。民主党の菅直人代表代行は、緊急雇用対策本部を立ち上げたことを紹介。派遣法改正について党内の議論がまとまっていないと断ったうえで、「少なくとも一番厳しい立場の人を切り捨てて、この社会が成り立つはずはない。そんなことのない社会を目指して代表の一人として頑張る」と決意を述べた。共産党志位和夫委員長は「ハケン切り」について「減益といってもトヨタは来年3月で6000億円の経常利益を見込んでおり、13兆円貯めこんでいる。景気が良ければ正規を非正規に置き換えて大儲けし、悪くなれば師走の寒空に放り出す、こんな横暴勝手を許すわけにはいかない」と述べ、抜本改正で正規労働者が当たり前の社会にしたいと訴えた。社民党福島瑞穂党首は「大分キヤノンでは1200人の派遣切りをしながら、期間工を募集している。派遣法抜本改正に向けて渾身の力を込めて頑張る」と述べた。

派遣労働者が実態を告発
　労働組合に入ってたたかっている派遣労働者が次々発言。集会前日の3日に組合を結成したJMIUいすゞ自動車の仲間が「昨日できた組合です！がんばります！」と声を上げると会場から大きな拍手が。他にも、もっぱら派遣の添乗員、日雇派遣労働者、そしてパナソニック、大分キヤノンなど大企業などの派遣労働者が実態を告発。待遇改善と派遣法抜本改正、「派遣切り」の緊急対策を求めた。立ち上がり、組合に入ってたたかっている派遣労働者たちに、会場からは「がんばれ！」「いいぞ」などの掛け声が飛んだ。

3つの弁護士団体も参加―日弁連は労働法制を見直す決議
　日弁連、労働弁護団、自由法曹団の代表が壇上に上がり、代表して日弁連の宇都宮弁護士が「10月の人権擁護大会で、ワーキングプア解消のため労働法制と労働政策を見直す決議が出された。このことは大企業の顧問弁護士も入っている日弁連で、大きな意味がある」と発言。また、「今日の派遣労働者の訴えを聞いて胸が痛くなった。政府に対し、今解雇されようとしている人、解雇された人への緊急施策を求めたい」と述べ、会場は大きな拍手に包まれた。

全労連は政府要請とともに、全国で「組合に入って雇用を守ろう」と運動
　全労連は先の春闘討論集会の夜、単産地方の代表者が集まり、経済危機を理由とした雇用破壊に反対する取り組み強化について意思統一。各地で派遣労働者に「組合に入って雇用を守ろう」と呼びかけるとともに、自治体や企業に対し雇用を守る申し入れをおこなっている。４日には内閣府で麻生首相に対し、大黒議長が「非正規労働者の雇用安定など景気悪化のもとでの緊急対策を求める要請書」を提出。また、財務省や厚生労働省などにも要請した。