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雇用メーデーに3万6千人

写真「雇用を守れ」「仕事をよこせ」5月1日、東京代々木公園で第80回中央メーデーが開催された。焼けつく日差しの下、会場には色とりどりののぼりと横断幕をもった3万6千人が参加。朝早くから会場のあちこちでデコレーションやプラカードを作成する姿が見られた。海外の労働組合や今年初めて日比谷メーデー実行委員会からメッセージが寄せられた。メーデーのこの日、全国では357か所、およそ22万人が決起した。

失業と貧困をなくし、国民の暮らしを守れ 〜主催者あいさつ
写真  実行委員会を代表して全労連の大黒作治議長は、第80回メーデーの意義について「100年に一度と言われる経済危機が、日本経済にも深刻な影響を与える中、失業と貧困をなくし、国民の暮らしを守れという要求実現を求めて開催する」と述べ、解雇を言い渡された労働者が全国で250労組、5000人以上が組合に加入結成したたかっていると紹介。「内需主導経済への転換の声は大きく広がっている。賃上げと雇用守れ、最賃上げろの要求実現めざし粘り強くたたかう」と決意を語った。さらに、4月27日に国会に上程された第2次補正予算について、「赤字国債を財源にした選挙対策のバラマキと大企業優先の対応であり、そのツケは2年後に国民に消費税で支払わせようとするものだ」と批判。「海賊対処法案は自衛隊を世界中に派遣し敵を殺傷する軍隊にする、憲法違反の法律だ。国民投票法施行まであと1年であり、“憲法守れ”の運動をさらに大きく広げることが重要」と強調し、国会解散・総選挙を求め、私たちの願いが実現する政治へと転換させようと訴えた。

派遣村名誉村長・宇都宮弁護士と日本共産党志位委員長が連帯あいさつ
 続いて「年越し派遣村」名誉村長の宇都宮健児弁護士と日本共産党の志位和夫委員長が連帯あいさつ。宇都宮さんは「派遣村の取り組みはナショナルセンターの枠を超えて労組が中心となって実行委員会を作った。労働組合と市民運動の結合が大きな力になった」と報告し、「全国各地で派遣切りや雇い止めを許さない大きな運動が広がっている。皆さんと連帯してたたかいたい」と述べた。

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大企業が社会的責任を果たすまでたたかう 〜JMIUいすゞ自動車支部 五戸書記次長
写真  派遣切りにあったJMIUいすゞ自動車支部の五戸豊弘書記次長と、東京土建の巻田幸正本部委員長、福祉保育労東京地本の民谷孝則書記長、東京自治労連の高橋直子執行委員、日本音楽家ユニオンの八重樫節子さんが次々決意表明した。
 昨年12月26日に紙切れ1枚でクビになり4月8日、「派遣の中途解雇は違法」という仮処分を勝ち取ったいすゞ自動車支部の五戸さんは、「たたかえば必ず勝利できことを実感した」と述べ、「派遣や期間労働者が一生懸命働いて大きくなった会社の、内部留保のわずか1%ちょっとを使えば、解雇した労働者を1人当たり400万以上の給料で1年間雇える。大企業が社会的責任を果たしてくれるまでたたかい続ける」と表明。五戸さんはいすゞの仲間とともに4月2日、いすゞ自動車に対し正社員としての地位確認と賃金支払いを求めて本裁判を起こしており、「この裁判は絶対に勝たなければならないたたかいだ。全国の皆さんの物心両面のご支援を」と訴えた。

まともな賃金をよこせ 〜東京土建 巻田委員長
写真  東京土建の巻田さんは、「日本の建設業界には2年前から不況が訪れており、土建の仲間は深刻な仕事不足と生活危機に陥り、中小建設業の倒産は過去最高になっている。一方、大手ゼネコンの内部留保はこの10年で2.6倍になり2兆293億円になっている。そんなに内部留保があるならおれたちにまともな賃金をよこせと言いたい」と訴えた。また、「建設不況の打開には内需拡大が何より大事だが、大型ゼネコン向け土木工事では効果はない」と指摘、地元密着型に切り替え、民間住宅の改善など公的支援策の拡充を求めた。また、働くルールを作る公契約条例の制定やアスベスト裁判勝利への決意を表明した。

働き続けられる福祉職場に〜福祉保育労東京地本 民谷書記長
 福祉保育労の民谷さんは、「今、高齢者福祉の職場では、熱意があっても『心身ともに疲れた』『上がらない給料に将来を見通せない』と人材が逃げて行っている。この間、福祉関係者の幅広い運動で4月からわずかだが介護報酬を3%アップさせることができた。また、先に発表された14兆円の経済対策の中に、月額1万5千円引き上げるという予算が盛り込まれ、野党は4党共同して4万円の賃上げ法案を国会に提出した。運動が政治を動かしてきた。この成果をもっと大きなものにしていこうではありませんか。働き続けられる福祉職場、それを実現できる福祉制度に。その制度を作る政治に皆さん、私たちが変えましょう」と訴えた。

安心して子育てできる環境づくりを〜東京自治労連 高橋執行委員
写真  公立保育園で働く保育士の高橋さんは、「東京都ではいま職員が減らされ業務は安上がりな委託、民営化が進み公的責任があいまいにされている。非正規労働者が増え、低賃金、劣悪な労働条件で官製ワーキングプアを生み出している。石原都政はオリンピックを口実に莫大な税金を使い、また食の安全を脅かす築地の移転や破たんの明らかな新東京銀行に1千億の投資など浪費を続けている」と指摘。一方で「待機児対策として自慢している認証保育所は一部事業所で不正が行われるなど問題が出ているにもかかわらず全国に広がり、公的制度が後退させられようとしている。3つの小児病院を地域からなくそうとするなど許されない」と述べた。「みんなで声を上げよう。石原さん税金の使い方間違っていませんか?子どもの健やかな発達を願い安心して子育てできる環境作りは東京都としての役割だ。石原都政を守る政党・議員はいらない。雇用・くらし・いのちを守る政治を作ろう」と呼びかけた。
写真  日本音楽家ユニオンの八重樫さんは、新国立劇場での合唱団員の非正規化と首切りに対し、団員の労働者性を認めさせるたたかいに支援を訴えた。
 スローガンとメーデー宣言を会場全体で採択。議長団解任の後、大黒議長の音頭で団結ガンバロー、参加者は肩を組んで「がんばろう」を合唱した。3コースに分かれて、デモ行進を行った。

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