大企業は内部留保を還元しろ
キヤノン本社&販売本社前大宣伝―チラシ5300枚を配布
「キヤノンはじめ大企業は内部留保を還元しろ」「配当よりも賃上げと雇用、下請企業にまわせ」――国民春闘共闘委員会と東京春闘共闘会議は2月3日早朝、日本経団連会長企業であるキヤノン本社前、キヤノンマーケティングジャパン本社のある品川駅港南口において宣伝行動を同時並行で展開しました。行動には、中央単産、東京・神奈川などの単産・地域から合計150人が参加。内部留保還元と派遣法抜本改正を求めるチラシを折り込んだ5300個のティッシュを配布しました。
3日早朝、東京と神奈川を隔てる多摩川沿いに位置するキヤノン本社前(東京都大田区)に105人が結集。本社に通じる3つの出入口に分かれ、のぼり旗、横断幕を掲げながらハンドマイクで訴え。出勤する労働者らに元気よく「おはようございます」「内部留保を取り崩し、内需の拡大で景気を回復しましょう」と声をかけながらチラシ入りティッシュを配布。ティッシュは次々と受け取られ、3カ所で合計2300個を配布しました。
国民春闘共闘の小田川事務局長(全労連事務局長)は、この10年間で賃金引き下げや非正規雇用激増の一方で、大企業の内部留保が100兆円も増えたことを指摘。「内部留保を吐き出し、内需の拡大を」と訴えました。
大田区労協の武田議長は、「かつて大田には9,000軒以上の町工場があったが、いまは4,000軒を切るまでに激減した」と告発。「日本経済、地域経済の回復に向け、内部留保を労働者や下請企業のために使ってほしい」と語りました。
キヤノンマーケティングジャパンなど大企業本社が集中する品川駅港南口には、14団体から45人が参加。用意していた3000個のチラシ入りティッシュは、約40分でなくなりました。
宣伝カーの上に立った国民春闘共闘の大黒作治代表幹事(全労連議長)は、08年秋に始まった経済危機から1年半が経過し、キヤノンやトヨタなどの輸出大企業は、中国や東南アジアの経済回復の中で黒字基調に変わろうとしている一方、国内では非正規労働者が増大し、年収200万円以下の「ワーキングプア」は1,000万人を超えるなど、労働者・国民の状態は一向に改善されていないと指摘。日本経団連は今春闘で賃上げは論外、定期昇給さえ凍結・抑制の姿勢だが、「いま大事なことは、労働者の賃上げ、解雇や失業、下請けいじめをやめさせ、経営とくらしを安定させることではないでしょうか」と訴えました。また、「資本金10億円以上の大企業が、経済危機の中でも242兆円もの内部留保をため込んでいる。日経新聞などは "内部留保はすぐに使えるものではない"と反論するが、キヤノンは4兆円近い内部留保の中から42億円を取り崩して株主配当にあてている」と指摘した。全国のキヤノンの工場でたたかわれている「首切り無効」の裁判にも連帯し、この春闘で「内部留保を使って、雇用も賃上げも、そして中小企業の経営を守れと、ご一緒に声を上げていきましょう」と呼びかけました。
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