派遣法の抜本改正と裁判勝利めざす3・26院内集会に140人
法案はまだ国会提出されていない! 政府に修正迫ろう!
自由法曹団・全労連・労働法制中央連絡会は3月26日、派遣法の抜本改正と裁判勝利をめざす院内集会を衆議院議員会館で開き、約140人が参加しました。集会後、弁護士を中心に国会議員要請を行いました。
主催者を代表して、自由法曹団の菊池紘団長が「経団連が95年に『新しい時代の日本的経営』を発表したとき、多くの人はこんなに長期間にわたって雇用が劣化し収入の減少が続くとは思わなかった。しかし、財界戦略は着実に実行されてきた。派遣法の改正もこうした流れの中のものであった。今回の法案の問題点を把握し、ヨーロッパで実現している『同じ労働には同一の賃金を』の夢を持ってがんばろう」とあいさつしました。
日本共産党から小池晃参議院議員と高橋千鶴子衆議院議員が駆けつけあいさつ。小池氏は「閣議決定された法案は3年雇用申し込み義務の撤廃の改悪部分も残り、登録・製造業派遣も禁止を言いながら、製造業では1年を超える継続雇用がみこめればよしとし、登録型も専門26業務はよしとされるなど、派遣労働者の約8割が禁止とならない抜け穴が盛り込まれている。本来閣議決定されれば、即日国会に上程されるのだが、現時点でも参議院に出すのか、衆議院に出すのか調整がついていない異常さだ。事前面接解禁をやめさせたこととあわせ、私たちの怒りが反映している。閣議決定を修正させる運動を大きくしよう」と激励しました。
自由法曹団の鷲見賢一郎幹事長が「改正」法案の問題点と全国の裁判の状況を報告しました。「公労使三者構成の審議会で決めたものを尊重しなければならないから労政審の答申を変えてはならない」という議論に反論。「審議会の議事録によると公益委員が『派遣労働は雇用調整の役割を担ってきた』などと繰り返し言っている」と怒りをこめて紹介しながら、「こんな立場にたって作られた答申には大いに意見を言うべきだし、変えていかなければならない」と強調した。「改正」法案について、「派遣法の問題点をわかりやすく解説したリーフを作った。ぜひ活用を」と紹介しながら、グループ企業内の派遣を8割まで認めることについては「第2人事部として機能するものである」、労働契約申し込み義務の撤廃については「ずっと派遣で使い続け、しかも解雇はやり放題」となるなど改悪部分を解説。「製造業・登録は原則禁止と言いつつ8割容認」「実効性の乏しい直接雇用みなし制度と均衡待遇原則」など、「このまま法改正を行っても現在派遣で働く者は救済されない」と批判し、修正を訴えました。
全労連小田川義和事務局長がたたかいの展望と今後の取り組みを報告。署名・宣伝の取り組みで世論をひろげること、国会行動(4・21、5・28)に結集することなどを呼びかけました。
集会では、派遣切りでたたかっている仲間が発言。『専門26業務で働いていたが、事務やパソコンを使っている人はすべて専門業務に当てはめられる。20年働いていても、契約満了で、使い捨て自由だ」「小中学校の外国語指導助手(ALT)として偽装請負で働かされている。社会保険もなく、有給休暇や残業代もない月に20万円の収入。入札が実施され、他社が落札したため解雇されようとしている」など深刻な実態が告発されました。また、発言者の多くが『こんな働き方を子どもたちには絶対させたくない」と述べ、派遣労働者を保護する改正の実現はもちろんのこと、「派遣労働はいらない」という切実な声が出されました。
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