消費税増税とTPP参加は許さない
中央メーデーで、実行委員会代表委員の全労連・大黒作治議長は開会にあたり、「被災者が一刻も早く人間らしい暮らしを送ることができるよう政府・自治体に求めるとともに、東電の賠償責任を追及しよう」と訴え。菅内閣が復旧・復興政策でいち早く庶民増税を打ち出し、原発推進を改めようとしないことを批判し、「労働組合が役割を発揮して、財界・大企業中心政治から脱却し、働く者の権利が保障され、地域経済の発展、持続可能な社会への転換を図ろう」と呼びかけた。
日本共産党志位和夫委員長に続き、全日本民医連の藤末衛会長が「消費税増税とTPP参加を許さないたたかいこそが被災地との連帯」と訴えた。東京土建、全農協労連の発言の後、JAL、民事法務、社保庁の解雇撤回をたたかう組合・原告、最高裁で労働者性を認めさせた建交労INAX、新国立劇場八重樫さんらが次々壇上で決意を述べた。
賃上げ・景気回復を被災者支援と一体で
「要求は賃上げ。そのためにも景気回復を」と語る日本機関紙印刷所労組青年部は、タイガーマスクの神輿を作って参加。構想・製作に1カ月かけた大作だ。日曜日のため子ども連れも目立った。東京コープネット労組副委員長の植松初子さんは組合の仲間とともに参加。「『11日を忘れない』と毎月、南浦和駅前で募金活動をしている。春闘でも『最賃1000円』と並び『東日本を元気にしよう』と訴えている」と語った。世田谷区職労保育支部の組合員は、おそろいのパンダの帽子をかぶって参加。「水道水に対する不安が強く、ミネラルウォーターを持参すればそちらを与える」「放射能汚染に対する親の不安に対し、園としても気を使っている」と話した。集会後、参加者は3コースに分かれデモ行進に出発した。
海外の友好組織からメッセージ
米国の電気・機械・無線労働組合(UE)から「メーデーの起源は8時間労働を求めたシカゴのたたかいだが、近年、移民労働者の権利を守る運動として新たに注目されている」「今年に入り各州で公務労働者の団体交渉権が奪われる事態が相次ぎ、全米の労働者がたたかっている」との報告、激励のビデオメッセージが届いた。
フランス労働総同盟(CGT)からは「政府や大企業が、この震災を口実に一方的に労働者の解雇、賃金の切り下げなどを行うことは不公正だ」と指摘し、「フランスのメーデーでもCGT組合員は日本のみなさんのことを常に心にとめて、ともに連帯して行動に立ちあがる」とのメッセージ。ほかに、世界労連、インド労組センター、パキスタン統一労働組合連盟、インド銀行従業員労組などから東日本大震災の被災者へのお見舞いと労働者・労働組合の救援・復興活動への連帯が込められたメッセージが届いた。