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公務・公共サービス拡充、住民本位の震災復興、国民諸要求実現
11・10中央行動に3000人

写真 野田内閣が、震災復興財源や社会保障の安定的財源の確保を口実に、国民に対し所得税・住民税の増税や消費税の増税、社会保障の全面的な見直しなど新たな負担を迫り、雇用拡大や賃金改善による景気回復が切実に求められるもと、「国民諸要求実現11・10中央行動」を、労働組合や諸団体が共同して開催しました。
 野田首相がTPP参加表明をねらう緊迫した状況のもと、日比谷野外音楽堂での中央総決起集会や「霞が関包囲行動」を柱に、雇用問題での院内集会、雇用の安定と質にかかわっての厚労省交渉、がれき処理等における良質な雇用確保にかかわっての環境省交渉などが行われ、全体で3,000人が参加しました。

最低賃金の改善、社保庁不当解雇撤回を

 厚生労働省前の要求行動では、全労連・国民春闘共闘の主催で最低賃金改善、社会保障制度の拡充を求めました。
 主催者あいさつで、国民春闘共闘の伊藤代表幹事(東京地評議長)は「内需が低迷し低賃金労働者が多くなっており、長引く景気の悪化で貧困が広がっている。全国一律の最低賃金や公契約条例の制定が必要。私たちの要求を実現することが震災復興になる」とのべました。
 情勢報告で全労連小田川事務局長は、「野田首相は、今日にもTPP参加を表明しようとしている。様々な問題があり被害を受けるのは私たち労働者だ。一握りの大企業、1%の利益をうける者を忠実にまもり99%に苦しみを与えるTPP参加表明は認められない。99%の人たちのための世の中を実現するためにともに行動していこう」と呼びかけました。
 決意表明では「被災地の医療再生はまだまだ進んでいない。仮設住宅から、最寄りの医療機関が遠いため医療が受けられない。その中で、医師や看護師が奮闘しているが、日当や交通費は医師にしか支給されておらず、看護師などはボランティアで動いている。命をまもるため医労連は奮闘していく」(日本医労連・山田委員長)、年金機構への移行時に大量の首切りを強行しながら、一方で大量の有期雇用者を採用しており、解雇に道理はない。本質は、社会保障の改悪がねらいであり、安心してくらせる最低保障年金を実現し、職場に戻って皆さんとともに頑張っていきたい」(国公労連・國枝中執)、「最賃の引き上げを実現するために、労働局などいろいろなところに要請したがんばりが最賃5円増の結果となった。改定されても、鹿児島の最賃は647円、次なるたたかいのためにしっかり学習し、社会に訴えていく」(鹿児島・生協労連)、「失業者の働く能力と意思を向上するのが厚生労働省の仕事だ。高齢社会を迎えるが、今の状況を若い者に引き継ぐことはできない。1%のためではなく、99%の弱者が生きていける世の中となるために頑張っていく」(建交労福岡事業団高齢者部会)
 最後に自治労連小峰中執が厚生労働省へむけてシュプレヒコールをぶつけました。

各分野から怒りの発言、JA全中からも連帯あいさつ
「直ちにTPP参加を断念すべき」

 少し肌寒い曇り空のもと、日比谷野外音楽堂で「11・10総決起集会」(全労連・国民春闘共闘・国民大運動実行委員会主催、安保破棄中央実行委員会協賛)が開催されました。集会のオープニングとして「デキシーユニオン」によるジャズ演奏が会場を沸かせました。
 主催あいさつした国民春闘共闘の国分博文代表幹事(全農協労連委員長)は、「APEC にTPP参加というお土産を持っていくのなら、普天間の軍事施設と兵隊をアメリカに持っていくべきである。TPP反対の一点での共闘が広がっている。TPPがねらう効率一辺倒の社会ではなく、人間中心の社会を守り、つくっていこう」と呼びかけました。 連帯あいさつでは、全国農業共同組合連合会(JA全中)の大西茂志常務理事から、「明日で震災発生から8か月となるが、政府が今なすべき最大の課題は、TPP参加交渉ではなく、東日本大震災からの復旧・復興、福島原発事故の収束だ。政府は国民の声を無視することなく、直ちにTPP参加を断念すべきだ」と力強い訴えがあり、会場からはひときわ大きな拍手が起こりました。
写真  国民運動実行委員会の黒田事務局長は情勢報告で、野田首相の暴走に対し、「世界と日本を動かしているのは国民の力であることに確信をもち、今生まれている新たなうねりを職場、地域で広げていこう」と訴えました。
 続いて、各団体からの発言・交流が行われ、「利用者にとって安心安全な交通・運輸にしていくため、規制強化への政策転換を求めていく」(自交総連東京地連・池田書記次長)、「地域で、放射能の除染のとりくみをすすめている。子どもたちのために原発をなくしたい」(新婦人千葉支部・楠本さん)、被災地の産業の柱は、農林漁業であり、TPP参加と復興の両立はあり得ない。野田首相の暴走をみんなで阻止しよう」(農民連・白石会長)、「パート労働者の生活改善はいっそう切実な要求になっている。最賃引き上げでがんばる」(生協労連・かながわ生協労組・安部さん)などの発言がつづきました。
 公務部会を代表して全教の長尾副委員長は、「国家公務員の賃下げは、地方公務員、そして民間の福祉・医療労働者にも影響を及ぼし、景気を冷え込ませ、復興の足を引っ張ることになる。地域経済を活性化させ、消費を上向きにするには公務も民間も賃上げが必要だ。公務員の賃下げ法案撤回、大企業減税・庶民大増税反対の声を一緒にあげていこう」と訴えました。最後に福島県労連の齋藤議長は、「県内すべての原発の廃炉を求める請願が県議会にて全会一致で採択された。10月30日には福島市での原発反対大集会に1万人以上が結集した。この2つの歴史的な出来事に確信を持ち、『原発ゼロ』の運動をさらに広げていきたい」と決意をのべました。
 全労連青年部大井書記次長のリードで、要求タオルを掲げ「くらしを壊すTPP参加は許さない!」「政府は震災復興に全力をあげろ!」とシュプレヒコールを唱和し、最後に全日本民医連・吉田万三副会長が閉会あいさつで「人間のくらしや命が大事にされる、新しい日本につくりかえよう」と呼びかけ、最後に団結ガンバロウで集会を締めくくりました。

 
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