「つどい、語り、未来へ!」全労連全国集会2011が11月19日から21日の3日間、浜松市で開催された。構造改革、新自由主義路線の対抗軸としての安定・良質な雇用と社会保障拡充による安心社会の実現に向けて、全国から749人が集まり、1日目、3日目に全体会、2日目は7分散会と、「非正規」「賃金」「原発」など10の分科会に分かれて討議をおこなった。 1日目の全体会では関西大学教授の森岡孝二氏が「働きすぎをなくし経済環境危機を乗り越える」と題して記念講演。小田川義和・全労連事務局長の問題提起の後、3人が特別報告を行った。被災地から宮城県労連の鎌内秀穂事務局長が東日本大震災の被害状況と今後の課題について、愛労連の吉良多喜夫事務局長が自治労連中心でおこなった名古屋市内2000軒の中小企業訪問、職場から日本医労連・東京民医労勤医会支部東葛分会執行委員長の森上恵子さんが組合の活性化について報告した。 3日目は、一橋大学名誉教授、福祉国家構想研究会共同代表の渡辺治氏を助言者に、「雇用の安定と社会保障充実へ、全労連運動の新たな飛躍をめざして」と題しシンポジウムをおこなった。パネリストは大阪労連の非正規労働者部会事務局長・嘉満智子さんと道労連事務局長・出口憲次さん、自治労連委員長の野村幸弘さん。 渡辺さんは、「民主党政権と東日本大震災という2つの国民的経験が提起した労働運動への課題」について発言。労働運動の課題として、住宅や雇用、医療・社会保障など、被災地を「豊かな雇用と強い社会保障」のモデル地域とするような運動を強めること、地域主権改革に反対し福祉国家型地域再建を行うことなどを強調した。矛盾を強める4大課題――TPP参加、消費税引き上げと一体改革、原発再稼働、普天間基地の辺野古移転、そして突然持ち上がった派遣法の骨抜きに反対する国民的大運動を巻き起こし、民自公協調体制を作らせないことが必要だと述べた。 嘉満さんは、非正規と正規が一緒になってディーセントワークの実現をと訴えた。大阪ダブル選挙勝利に向け、労働者を大事にしない橋下打倒にむけた決意を述べた。出口さんは派遣法をはじめとする非正規問題、原発、ディーセントワーク課題で大きな共同と、職場からの取り組み重要性を指摘。野村さんは憲法を対抗軸に公務公共サービスの拡充と労働者の賃上げをと述べ、官民共同し職場・地域の実態をもとに住民対話で世論づくりを進めようと訴えた。 フロアから全労連女性部角田さん、首都圏青年ユニオンの山田さん、京都の青年、いわて労連の今野さん、国公労連の宮垣さん、京都総評の梶川さん、福島県労連の斉藤さんが発言した。 小田川事務局長のまとめの後、柴田副議長が閉会あいさつを行った。
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