国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は1月12日、全労連会館ホールで第1回単産地方代表者会議を開催し、満場一致で2012年国民春闘方針を採択しました。激動する情勢のもと、労働組合が内需拡大で景気回復を実現する国民的運動の先頭に立とうと、熱心な討論がおこなわれました。
代表者会議には、25単産9地方から82人が参加しました。 大黒作治代表幹事(全労連議長)は開会あいさつで、賃金の続落で内需が縮小し、経済が成長しないもとでも、大企業は内部留保を266兆円にも増加させたと指摘。このばく大なため込み金を賃上げなどで労働者と中小企業に還元し、内需主導の景気回復を実現することが必要だと強調し、政府のねらう公務員賃下げはこの方向に反するものだと批判しました。野田政権がすすめようとしている消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」反対、被災者本位の復興、原発なくせの運動をすすめようと訴えました。
小田川義和事務局長(全労連事務局長)が2012年国民春闘方針案を提案しました。
生活苦と経営悪化に陥っている労働者・事業者との総対話と共同を追求し、大企業がめざす賃下げによる「国際競争力強化」が円高をよび、さらなる賃下げ圧力となってはたらく「悪魔のサイクル」を断ち切り、内需拡大の世論を広げようと提起。生計費原則による賃金闘争をすすめようと呼びかけました。 「雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で、内需中心の経済・震災復興を」のメインスローガンと、だれでも月額1万円以上、時給100円以上の賃上げ要求を掲げ、3月14日の集中回答日と翌15日の全国統一行動日を軸に、13日の重税反対行動とあわせ、「99%のための安心社会めざす総行動」にとりくみ、職場・地域で「目に見え、音が聞こえる春闘」状況をつくり出そうと提起しました。
「本気で春闘再生を!」のスローガンを掲げるJMIUの代表は、一人ひとりの労働者の思いをどう引き出して物理的な力にしていくか、その思いにこたえる責任が組合にはあると指摘。地域で宣伝やアンケート、「一言メッセージ」運動に本気でとりくみ、職場の力関係を変えていくこと、統一行動日には必ずストをうちぬき、地域に打って出ようと呼びかけました。生協労連の代表は、流通業界ではデフレのもと大手を中心に吸収合併・再編が進んでおり、多くの労働者がリストラされ、手取り賃金が減っていると告発。消費税率引上げに難色を示す経営者団体にもウイングを広げ、増税反対を求める議員要請など「選挙戦並みにとりくむ」決意をのべ、賃金底上げ、最賃時給1000円めざすとりくみとともに、7000人の組織拡大を目標に奮闘すると語りました。
全教の代表は、就学援助を受けている児童数は大阪がいちばん多いという事実を紹介し、橋下・大阪市長率いる「維新の会」が推し進める2つの条例案(職員基本条例案、教育基本条例案)は、「子どもが置かれた状況から出発していない」と厳しく批判。石原都知事がこれに呼応するなど、危険な状況にあるとのべ、2月投票の京都市長選とあわせ、政治による教育への介入を許さないたたかいに全力をあげると語りました。