全労連は1月18〜19日に全労連会館2階ホールで、第47回評議員会を開き、2012年国民春闘方針案など討論し、決定しました。また、「雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で、内需中心の経済、震災復興を」をスローガンに意気高くたたかう「2012年国民春闘アピール」を採択しました。
大黒議長が主催者あいさつ。全労連の課題について、若者の失業と非正規雇用の改善、税と社会保障の大改悪や基地問題で暴走する野田内閣との対決、大震災からの復興と原発なくせのたたかいなどについてふれ、「誰でも月額1万円以上の賃上げ、時間額最賃1000円以上の要求を掲げ、公契約適正化を全国に広げて、安定した雇用と社会保障の拡充による、『安心社会をめざす大運動』に取り組もう。2・10、3・8中央行動、3月13日〜15日の全国統一行動を集中した取り組みにし、国民の目に見え、音の聞こえる春闘を展開して、社会的影響力が高まるよう奮闘しよう」と呼びかけました。
小田川事務局長が2012年国民春闘方針案を提案。(1)大震災による雇用悪化を許さず、安定雇用と仕事の確保をめざす、(2)生計費原則の賃金・所得確保をめざす、(3)労働時間短縮など良質な雇用の実現をめざす、(4)「税と社会保障一体改革」反対などでの共同の取り組み前進をめざす、(5)改憲策動を許さず、核兵器廃絶、安保破棄をめざす、(6)政治の民主的変換をめざす主要課題の取り組みなどについて提起しました。
討論から
春闘での取り組みについて「すべての職場で要求を提出し、中小企業振興の署名を持って中小企業や中立労組を訪問する。京都では、昨年労組訪問した労組が加入した」(全労連・全国一般)、「すべての職場で、本気で要求を勝ち取り、組織を前進させ、地域春闘を活性化させる『本気の春闘』に取り組む」(JMIU)、「最低生計費調査を行ったが、時給換算すると1462円。この結果を春闘に生かして運動することが重要。すべての労働者が暮らせる賃金、全国一律最賃制度を」(広島)、「官製ワーキングプアをなくすため、非常勤職員の雇止め阻止、均等待遇実現、10万人組織化を掲げ、誇りと怒りの大運動に今年も取り組む」(自治労連)、「労働時間短縮は重要な課題。ILO条約第1条の8時間労働の批准、36協定をやめてしまうことや勤務間隔を16時間にすることなど実現させていきたい」(島根)、「『教育基本条例』『職員基本条例』反対の取り組みを春闘とともに労組が防波堤になってたたかう」などの発言がされました。
被災地からは「4000人の雇用保険が1〜2月に切れる。厚労省に再々延長を求めていきたい」(宮城)、「最賃645円。これでは生活再建ができない。最賃・公契約を位置付けて春闘をたたかう」(岩手)、「野田首相は12月16日に原発収束宣言を行った。原発再稼働が狙われている。オール福島VS国・東電、全基廃炉むけ共同したたかう」(福島)など発言がありました。
2012年国民春闘アピール
労働者・国民のみなさん
今こそ、雇用と賃金・労働条件の抜本的な改善とナショナル・ミニマムの確立を求め、立ち上がる時です。全労連はすべての働く仲間と国民に決起を呼びかけます。私たちの要求実現こそが、日本の経済と社会を立て直すカギです。
労働者・国民のみなさん
日本では賃金の低下が10年以上にわたって続いています。労働者の4割近くが非正規に追いやられ、4人に1人は年収200万円以下のワーキング・プアとなっています。賃金低下で消費は冷え込み、中小企業は経営難にあえいでいます。失業は長期化し、ハローワークや生活保護の窓口に人々が押し寄せています。大震災からの復興も、原発事故の収束も、遅々として進まず、被災者の生活は危機的状況です。
一方、大企業は膨大な富を蓄えています。資本金10億円以上の5,000社の内部留保は266兆円。10年前より94兆円も積み増しています。減税や助成金など政府の支援を受けながら、賃下げと雇用破壊、下請単価の引き下げでコストを削減し、まさに、労働者・国民犠牲で蓄えた富です。多国籍大企業の横暴な振る舞いと富の歪んだ配分に対し、今、世界中の人々が「大企業は社会的責任を果たせ、99%の声を聞け」と立ちあがっています。
私たちも、行動をともにしようではありませんか。
労働者・国民のみなさん
財界から「ジャパン・ドリーム」と祝福を受けた野田内閣は、「国民にムチ、多国籍大企業にアメ」の政策を強行しようとしています。消費税増税と大企業減税、金持ち優遇税制の継続。年金引下げ。「子育て新システム」による保育の公的責任放棄。国の出先機関の廃止。公務員賃金の7.8%もの切り下げ。派遣・有期労働規制の後退。原発依存の堅持と輸出。TPP参加による農業・医療・地場産業破壊と暮らしを守るルールの破壊。沖縄への米軍基地押しつけ。民意を軽視する衆議院比例定数削減等々。
これでは暮らしも、経済もよくなるはずがありません。マニフェストを投げ捨て、ひたすらアメリカと財界にすりよる野田政権の悪政をストップさせましょう。
労働者・国民のみなさん
今春闘、全労連は「雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で、内需中心の経済、震災復興を」のスローガンを掲げ、全労働者との連帯と国民諸階層との共同を進めます。
「誰でも時給100円以上、月額1万円以上」の賃上げ要求の実現、労働者派遣法の抜本改正と有期労働契約の規制強化、パート労働法改正等、「働くルール」の拡充、全国一律法定最賃「1000円以上」への前進をめざします。消費税増税を阻止し、大企業の内部留保を国民に還元させ、大震災からの被災者本位の復興、良質で安定した雇用と社会保障の抜本拡充、原発ゼロの社会をめざす国民的合意の形成を進めます。TPP参加に反対し、中小企業支援の拡充と地域経済活性化を求め、中小企業家、商工業者、農林漁業者などとの幅広い共同を進めます。
私たちとともに、2012年国民春闘に大いに奮闘しようではありませんか。
2012年1月19日