3月30日に野田内閣が、2014年4月に8%、15年10月には10%に引き上げる「消費税大増税法案」を閣議決定し、国会に提出しました。これに抗議し、全労連・国民春闘共闘は4月2日、消費税増税反対を求める宣伝に取り組みました。
池袋駅東口での宣伝行動には83人が参加し、「消費税増税反対」の声を響かせました。東京春闘共闘・北部春闘共闘会議の宣伝行動と重なりましたが、庶民増税への批判と労働組合加入の必要性を交互に、熱く、訴えました。
消費税増税法案に対し、マイクを握った自治労連・柴田英二副委員長は、「(1)消費税増税が社会保障改善には使われず、社会保障は改悪するダブル改悪法案である。(2)下げ続けた法人税率を消費税導入時前の1997年の水準に戻せば5兆円、大資産家の所得税率の最高税率を上げ、証券優遇税制を欧米並みの30%に引き上げれば1.7兆円、政党助成金、原発推進補助金やムダな公共事業の見直しで3兆円の財源が生まれる。各省庁にばらまかれている防衛関連予算も含めると8兆円ともいわれる軍事費など、日本には消費税に頼らない財源がある。(3)非正規雇用、ワーキング・プアが増大する社会のあり方、大企業・財界中心、アメリカいいなりの政治の姿が問われている」と、この法案の3つの問題点を指摘。
年金者組合の田島茂副委員長は、「介護保険料は全国平均で19.5%上がり、4,972円の増額となり、後期高齢者医療制度についても5.9%の負担増となる。国民健康保険は市町村から、県単位での管理に広域化しようとする動きが強められ、徴収の仕方が変わるだけで、年収200万円の人で1.8倍、300万円で1.6倍、400万円の人で1.3倍となるという試算も出ている。あらゆる制度で庶民の負担が増え、社会保障がくらしを圧迫する。一方で給付の方は、年金が4月から0.3%下げられ、さらに過去に物価スライドがされなかった0.9%分を、この秋から3年かけて下げるということが決められている」と給付を減らして負担を増やし、社会保障の解体をねらう政府の姿勢を明らかにしました。
生協労連の鈴木蔵人書記長は、「家が流され、家を建てたいがお金がない」「仮設住宅は、お風呂に追い炊きがないのでガス代がかかってしょうがない。この1ヵ月の間に1万2千円以上ガス代で飛んだ」という宮城県東松島市の仮設住宅を訪れた際に聞いた被災者の悲痛な思いを語り、「野田首相は『消費税の大増税に命をかける』と国会で言いきったが、命をかけて取り組むべきは、消費税増税ではなく震災復興・被災者の生活支援ではないか。消費税増税は、何もかもを買わなければならない被災者に対し、あまりにも冷たい仕打ちではないか」「10%に増税されると年収200〜250万円の世帯で年間12万円以上の負担増になる」と国民の生活に目を向けていない野田政権の対応を強く批判しました。