MIC、純中立労組懇、全労連でつくる東日本大震災労働者対策本部は6月15日、宮城県松島で第12回対策本部会議を開き、岩手、宮城、福島被災3県からの参加者とたたかいを交流し、今後の取り組みなどについて討議しました。翌16日は東松島市の仮設住宅で行われた「炊き出し&なんでも相談会」(宮城災対連・東日本大震災共同支援センター主催)の行動に参加しました。
対策本部会議では、全労連の大黒議長があいさつ。「今日の会議は、一度は現地でというみなさんの希望で実現した。原発再稼働、消費税増税など世論・公約に背く野田政権と私たちは粘り強くたたかっていかなければならない。本日、現地の方たちから意見をきき、役立つ活動をしていきたい」と述べました。
全労連の小田川事務局長が、復旧、復興の進捗状況、被災地雇用の状況、災害廃棄物処理についての政府等の動向、高線量地域での労働作業基準制定、放射能事故被災者支援法の審議状況などについて報告しました。
被災3県と、単産から取り組みなどについて報告。岩手からは、工事用資材・人材不足、事業復興型雇用創出事業で15000人の常用雇用をめざすとしながら助成決定は29事業所、雇用者数144人となっていること、人口流出の問題、JR大船渡線・山田線など鉄路の復旧問題、しいたけ栽培の被害などについて報告。また、県議会請願「被災事業所の事業再建及び被災者の再就職促進支援策の強化を求める」が2月県議会で、全会一致で採択された(いわて労連単独請願では初)ことが話されました。
福島からは、仮設住宅の風呂追い炊き機能設置工事、物置設置に国庫補助を実現したこと、県として10月から18歳以下の医療費無料化実現、県が給食施設を持つ保育所に食品の放射性物質検査機器を導入する費用と検査員の人件費を原則補助することなど運動の成果について報告。福島復興再生基本計画の策定がされようとする中、とりわけ「原発事故を人災と認めない」「賠償金非課税を要求しない」など県知事・県政の姿勢が明確に後退していることから、国・東電とともに県、市町村への働きかけを重視していくと述べました。
宮城からは、被害を受けた家屋の1階は手つかずの2階で生活する人などに支援がいっていなこと、仮設から戻って暮らしたいがお金がないので生活再建できないなどの現状が話されました。また、仕事があっても低賃金で生活できないことから最賃引き上げ、公契約条例の制定の重要性が話されました。
日用品をお届けし、アンケート、署名への協力を要請
16日は時折雨が降る中、東松島市の仮設住宅で「炊き出し&なんでも相談会」が行われました。仮設内の集会所では、弁護士、医師、看護師による労働・生活・健康なんでも相談会が、集会所前の広場では、神奈川土建三浦支部や宮城農民連、山形庄内産直センターによる焼きそば、豚丼、つきたて餅、焼きたてパン、ポン菓子の炊き出しが行われ長蛇の列になり、お祭りの様な雰囲気に。また、個人の方のご厚意による文房具、お菓子も配られました。
炊き出しが始まる前に、袋詰めした日用品を各家庭にお届けし、「女川原発を再稼働させず、原発からの撤退を進める要請署名」への協力要請、自治体への要望・不満、ボランティアへの要望、困っていることなどについての聞き取りアンケート調査を行いました。住民の方からは今後の行き先が決まっていないことへの不安などが話されました。
当日は、地元宮城や炊き出し部隊に加え、九州各地から参加した民医連の医学生、中央単産、全労連などから100人を超える参加で運営されました。