労働法制中央連絡会は9月26日、全労連会館2階ホールで総会を開き70人が参加しました。先の国会で、労働者派遣法「改正」案や有期法案(労働契約法一部「改正」案)が不十分な内容のうえ短時間の審議で成立が強行されましたが、引き続き抜本改正を求めたたかっていくことやパート労働法の実効ある改正にむけ力を尽くしていくことを確認しました。総会の前段で「労働法的規制の課題」と題し、大阪市立大学の西谷敏名誉教授が講演しました。
篠原義仁代表委員(自由法曹団団長)の開会あいさつの後、大黒作治代表委員(全労連議長)が主催者あいさつ。7月の国家戦略会議で、雇用は「有期を基本に」という分科会報告が確認されたことを述べ、「非正規雇用で働く仲間が1800万人、ワーキングプアが1100万人を超えている中で貧困と格差の広がりはますます深刻。良質で安定した雇用、雇用の基本は正社員が当たり前という状態を確実に広げることが必要だ。労働者派遣法の抜本改正、有期雇用の制限、最賃の大幅改善、均等待遇、ディーセントワークの追求など労働組合が独自に取り上げる課題と、原発なくせなどを求める高まる市民運動と連帯してたたかおう」と呼びかけました。
井上久事務局長(全労連事務局次長)が総会議案を提案。「安定した良質な雇用」の実現にむけて労働組合、研究者、法律家、女性団体などの民主団体が結集する労働法制中央連絡会という組織の特性・有意性を活かし実態告発を基本に政策面を強化すること、労働法制の改善要求を明確にしたパンフレット等の作成、パート労働法の実効ある改正や労働者派遣法や労働契約法の早期改正を求めるたたかいなどについて提起しました。
参加者6人が発言。「JALのたたかいとも連帯し、毎月1回宣伝を行っている」(労働法制大田連絡会)、「日本IBMでは、940億円も利益をあげながら、『あなたは業績が悪い』と組合員9人を解雇した。このことは解雇自由化につながり全国に伝染するおそれがある。全労連・中央連絡会でも、たたかいを位置付けてほしい」(JMIU)、「分限免職取り消し署名、11月2日の総決起集会への協力をお願いしたい」(全厚生闘争団)、「派遣法、労働契約法の中身を整理、解明・検証し、使えるものは使い、再度、抜本改正にむけたたかっていく」(自由法曹団)、「新規採用抑制もされ、人員削減がさらに進んでいる。ハローワークが自治体に移管されれば、その後に民間開放、廃止へとつながることも考えられる。よりよい労働行政をめざしがんばりたい」(全労働)、「政府は、働く『なでしこ』大作戦として、女性の非正規での活用をさらに進めようとしている。労働実態を告発し改善させていきたい」(新婦人)などの発言がされました。
なお、総会には、日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員、田村智子参議院議員からのメッセージが寄せられました。