国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は10月25日、全労連会館で2013年度年次総会を開催し、22単産団体8地方から80人が参加。1年間の総括と2013年春闘方針の草案について議論し、新役員体制、予算を確立しました。総会に先立ち、松丸和夫・中央大学経済学部教授が「地域循環型経済の再生をめざす労働運動の課題」と題して講演し、学習を深めました。
主催者あいさつで大黒作治代表幹事(全労連議長)は、国民の世論を無視して、財界とアメリカ言いなりの政策を進める政治を転換させて、要求実現のために、職場と地域で政治闘争を進めることが重要だと強調。「原発なくせ」「消費税増税反対」「環太平洋連携協定(TPP)参加反対」「貧困と格差解消」「社会保障の拡充」など「安心・安全社会」を求めるこれまでにない国民的共同の大きな発展との合流を進め、たたかいを大きく発展させていくことを述べました。電機リストラなど正規・非正規の雇用危機、賃金削減に反対し、賃金の底上げ、最賃の大幅引き上げ、労働時間の短縮、権利闘争や公契約制定運動の前進、地場産業や第一次産業の活性化で経済の再生をはかり内需拡大へ舵を切らせることを、国民的世論を背景にして財界や政府に強く求め、大震災と原発事故から復興がなかなか進まず、原発事故の原因解明もされない中で、決してこれを風化させずに、被災地への支援と激励を送り続けることをよびかけました。
小田川事務局長が2013年春闘方針の草案を提案
小田川義和事務局長(全労連事務局長)が「2013年国民春闘方針の草案」を提案。2013年春闘では、労働者・国民に犠牲と痛みを押し付ける政府・財界の攻撃のねらいや現状を明らかにし、職場と地域の双方で多数派を形成し、財界主導の政策への対抗軸を目に見える形に作り上げていく国民春闘共闘の反撃のたたかいが求められていると語り、「5つの重点課題と取り組み」について12春闘の到達点、情勢の特徴をふまえ、議論のポイントを説明しました。
重点課題として、第1に「賃金の改善、底上げ、格差是正を求める取り組み」、第2に「解雇、失業に反対し、雇用の安定をめざす取り組み」、第3に「労働時間改善など良質な雇用確保をめざす取り組み」、第4に「消費税増税、TPP参加阻止、原発ゼロの日本の実現をめざす国民共同の取り組み」、第5に「改憲策動に反対し、核兵器廃絶、安保破棄をめざす取り組み」を提起しました。
討論では13人が発言。職場・地域から、「目に見え耳に聞こえ、国民に響く」2013年春闘としてたたかっていく決意が述べられました。