全労連・国民春闘共闘、東京春闘共闘は1月22日、2013年春闘の本格スタートとなる春闘闘争宣言行動に取り組み、単産・首都圏共闘からのべ1100人が参加しました。厚労省前行動、丸の内の昼デモにつづき、ベアは「実施する余地はない」、定昇についても「実施時期の延期や凍結を協議せざるを得ない場合もあり得る」とした「経営労働政策委員会報告」を発表した日本経団連を包囲し、怒りの声をあびせました。
厚生労働省前行動 〜安全・安心社会の実現を!!〜
冷たい雨が降り続く中、厚生労働省前には官民各単産・首都圏共闘などの旗が立ち並び300人が参加しました。
主催者あいさつに立った東京春闘共闘の伊藤潤一代表委員は、労働者の賃金引上げと安心・安全の雇用がなければ、デフレ脱却は有り得ないと強調。賃上げ・最低賃金の大幅引上げ、全国一律最低賃金制度の確立、公契約条例制定運動を広げ、安心・安全の雇用のためにも、労働法制の抜本的な改正、中小企業対策の拡充を求め、消費税増税を許さない運動と世論を大きくつくっていこうと呼びかけました。国民春闘共闘の小田川義和事務局長(全労連事務局長)が行動を提起。今春闘で財界・経営との力関係を変える状況を無数につくりだし、消費税増税、社会保障改悪など、国民いじめの悪政への反撃を強め、くらしを守る課題で先頭に立って奮闘していこうと呼びかけました。
各組織の代表が決意を表明。全印総連の小澤晴美中央執行委員は、官公需での印刷物が競下げ方式により単価が引下げられ、労働者の賃金抑制に繋がっていることなどを紹介し、「働くすべての労働者の賃上げ、労働条件改善のために『産業政策提言』を左手に、右手には拳を掲げて春闘をたたかっていく」と力強い決意を述べました。郵政産業ユニオンの皆内マサ子女性部長は、低賃金・劣悪な労働条件で働く非正規雇用労働者の実態を告発し、「正社員が当たり前の社会、ワーキング・プアの解消、均等待遇の実現などをめざして奮闘していく」と表明。自治労連の猿橋均書記長は、「生活保護基準の引下げは、最低賃金の引下げに直結し、住民税の課税限度額、就学援助など各種の税金・福祉・教育制度の基準引下げに連動する。憲法25条をないがしろにする『社会保障制度改革推進法』を具体化する生活保護制度改悪は到底許されるものではない」と怒りを込めました。東京土建の影山政行中央執行委員は、ダンピング受注のしわ寄せを受け、苦しい生活を強いられる建設職人の状況を報告し、全国7自治体で成立した「公契約条例」をさらに広げ、公契約法の制定も求めてたたかう決意を表明しました。
厚労省前行動後、参加者は丸の内に移動。新春恒例となった荒馬座による獅子舞を先頭に、色とりどりの横断幕やのぼり、要求プラカードを掲げデモ行進。シュプレヒコールとラッパを鳴り響かせ、お昼時の丸の内・大手町を行きかう人々に春闘決起を呼びかけました。
経団連包囲行動 〜景気回復の邪魔をするな!〜
丸の内デモ後、400人の参加者が日本経団連を取り囲み、「抗議行動」。
雨も止み、参加者の熱気が立ち昇る中、・国民春闘共闘の大黒作治代表幹事(全労連議長)が主催者あいさつ。デフレ不況脱却の土台である賃上げ・雇用の安定を要求に掲げ、経団連に対して「景気回復の邪魔をするな。賃上げを認めろ」、「解雇が自由な社会は許されない」と迫まっていこうと呼びかけました。そして、「原発なくせ」「TPP参加反対」など国民的課題での共闘を広げ13春闘をたたかっていこうと訴えました。
決意表明で、生協労連の北口明代委員長は、労働者の4割近くが非正規雇用に追いやられ、低賃金・不安定雇用となっている。財界が構造改革路線を推し進めた結果だと語り、「経団連は経営団体として社会的責任を果たせ」と怒りを露わにしました。
岡部勘市・国公労連書記長は、労働者の賃金を大幅に切り下げ、非正規雇用に置き換えてきた財界・大企業とそれを後押ししてきた歴代政府の政策が、デフレ不況の原因だと痛烈に批判。公務員賃下げ違憲訴訟、社会保険庁不当解雇のたたかいに勝利し、賃下げドミノ・雇用破壊にストップをかけるべく奮闘していく決意を表明しました。
建交労の藤好重泰委員長は、安倍政権が掲げる経済政策について触れ、「国内の建材業者を擁護し、労働者の収入を保障する制度をつくらなければ、公共投資をしても国内の景気浮揚にはならない」と指摘。現場の労働者は何層にも亘る中間搾取をされ低賃金で働かされている。公契約法・条例制定むけてさせていこうと呼びかけました。
決意表明の最後は、ソニー美濃加茂工場閉鎖問題で解雇の撤回を求めるJMIU愛知支部の代表がマイクを取り、「リストラになった人は本当に苦しい。工場閉鎖を止め、ソニーを辞めなくてもいいように力を貸してほしい」と切実な思いを語り、大きな激励の拍手を受けました。
全労連女性部・大西玲子事務局長が「春闘闘争宣言」を読み上げ、「大企業は内部留保をはきだせ」「株主配当よりも雇用を守れ」「賃金上げろ」と日本経団連に向け怒りのシュプレヒコールをあびせました。