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「若者使い捨て」は放置できない大問題
労働組合は本気の取り組みを
「若者の働き方・働かせ方を問い直すシンポジウム」

写真 全労連と就職連は「若者の働き方・働かせ方を問い直すシンポジウム」を2月24日、都内で開催し約60人が参加した。全労連が春闘の重点として取り組む「若者にまともな雇用をキャンペーン」の一環。法律も権利も無視し、若者をモノのように使い捨てすることで儲けるブラック企業や、学生を心身ともに追い詰める就職氷河期の実態が明らかになり、今後の取り組みを発展させる契機となった。

 若者雇用プロジェクト事務局長の五十嵐建一さん(全労連常任幹事)は、全労連が実施した「若者雇用アンケート」の中間集計結果を紹介し、「生活が苦しいと答えた人は過半数にのぼり、職場で不満なことも『賃金が低い』が5割を超えた。そして、2割近くが過労死ラインの長時間労働を強いられていると考えられる。全労連はこういった実態を政府や財界に突きつけ、共同を広げ取り組みを飛躍させていく」と述べた。
 続いて3人が職場や就活の実態を告発した。JMIU千葉・ナノテック支部から4人が登壇し、「監視カメラで四六時中監視され、会社の悪口を言うと配転される。利益を上げているのに、組合員だけ一時金が払われない」と話し、病院の夜間受け付けのアルバイトをしている学生は「同じ時間働いても、学生だからと言って賃金が低いシフトパターンがつくられている。48時間、72時間連続勤務も平気でやられる」と異常な働かせ方を告発。就職活動中の学生は「ある会社のエントリーシートの設問は『宴会を盛り上げる一発芸は何か』とか、『芸能人に吹き出しをつけなさい』、と業界に全く関係ないことが並んでいる。それでも何10社もやらないと就職できない。こんな就活に苦しんでいる学生は多い。就職活動のあり方を変えてほしい」と訴えた。

 シンポジウムでは高校教師、ジャーナリスト、若者雇用の専門家の3人を迎え、実態を共有し現状を転換させる展望について意見を交わした。
 高校教師の佐藤理河さんが「高校にくる求人は派遣、携帯販売員、全国居酒屋チェーンの求人、看護助手が増えた。どれも日給、時給で、2年もたてばやっていけなくて転職せざるを得ないような仕事。地元には生徒を何年もかけて育ててくれる中小企業もある。こういう中小企業を支援し、生徒のやる気や期待を裏切らず長い目で育ててくれる企業が増えてほしい」と話した。
 『週刊東洋経済』の記者、風間直樹さんは「『お客様の笑顔が見たくないのか』などと言って、社会に貢献したいという思いを悪用し使い捨てにするのがブラック企業。安倍政権の雇用政策はまだ明確ではないが、経済財政諮問会議が復活し、2000年代後半に狙われた労働ビックバンが再登場してもおかしくない状況。『過労死は自己管理の問題、労基法もいらない』と使用者側が堂々と発言していた時代に戻りつつある」と警鐘を鳴らした。
 都留文科大学教授の後藤道夫さんは、「非正規雇用をたくさんつくって、雇用保険をしぼり、離職者や失業者を非正規雇用に移らざるを得ない状態がつくられた。失業保険をもとにもどし、地域で公労使学がチームになって職業訓練制度をつくる必要がある。これほどの労働力の劣化や、非正規雇用の増加を放置することは、足下の砂が崩されているのを眺めていることだ。労働運動をやっている方はストライキの権利、歴史をもっと学び、本格的にストを準備する。労働組合が力を出せる状況に変えていかないといけない」と述べ、労働組合の果たす役割を強調した。

 
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