全労連・国民春闘共闘、東京春闘共闘は4月11日、消費税増税、TPP交渉参加の課題が重要な段階を迎え、労働法制・社会保障の大改悪など国民・労働者の生活を破壊する政策が推し進められようとする情勢のもと「13国民春闘勝利4・11中央行動」にとりくみました。全国からのべ2000人が参加し、省庁前要求行動、省庁要請、国会議員要請などを終日展開しました。また、正午から日比谷野外音楽堂で行われた「消費税大増税中止を求める国民集会」にも結集し、国会に向け5000人を超えるデモ行進を行い、悪政に対する怒りの声を響かせました。
厚労省前要求行動
〜解雇自由の社会をゆるすな!労働法制・社会保障大改悪に怒りの声〜
国民春闘共闘の小田川義和事務局長(全労連事務局長)が主催者を代表してマイクを握り、はじめに、旧社会保険庁職員の分限免職(解雇)について人事院が1人を処分取り消し、3人は不当な分限免職を妥当としたことについて触れ「組織がなくなれば解雇して当然という流れは、労働法制改悪を追認するものだ」と抗議。そして、安倍政権が成長戦略の具体化として労働法制の規制緩和、解雇規制の緩和に向けた動きを強めていることに対し、「企業リストラなどの際に、人権侵害である脅迫まがいの面談や隔離部屋への出向強要などの退職強要が日常化していることに目を向けていない」「現在も蔓延している無制限の配置転換や長時間労働の受け入れを迫る状況をさらに固定化し、「名ばかり正社員」を増やし格差を広げ、解雇を容易にするものだ」と厳しく批判。また、「予算削減ありきの試算で、生活保護基準や年金給付額引き下げを行うのは犯罪的人権侵害行為だ」と怒りを露わにし、「安倍政権には何ら期待できない。徹底してたたかいを強めよう」と呼びかけました。
決意表明では、国公労連の國枝孝幸中央執行委員(全厚生闘争団)が旧社会保険庁職員の分限免職に対する人事院の判定について語り「1人は処分取り消しの画期的判定を勝ち取った。しかし3人は分限免職が妥当とされた。到底許されるものではない」「人事院は厚労省の分限免職回避の取り組みが不十分であったと認めたのなら、請求者全員の処分を取り消すべきだ」と訴えました。
年金者組合の田島茂副委員長は「年金受給者の多くは年間150万円に満たない金額で生活している。ここから2.5%引き下げようというのは国民の生活実態を踏まえない大改悪だ。その上、消費税増税など安倍政権はどこまで国民に負担を強いるつもりだ」と怒りの声を上げました。
東京医労連の日本医科歯科大学労組・清水明子書記長はアメリカの医療制度に触れながら、「国民皆保険制度」「公的医療制度」の重要性を語り、「政府が検討している混合診療の拡大や株式会社の病院経営参入、医療ツーリズムの推進など、医療や介護分野の規制緩和やTPP参加が行われれば、お金がない人は治療を受けられなくなり、国民のいのちと健康が脅かされる」と指摘。「医療従事者として断固としてたたかっていく」と決意を述べました。
生協労組おかやまの西崎直人書記長は「最低賃金は労働者の賃金の下支えになっている。財界に『賃上げ』を要請するなら、政府の責任で出来る最低賃金の大幅引き上げを早急に行うべきだ」と語り、JMIU東京地本・小山内文春委員長は、「1995年に経団連が雇用の流動化を打ち出し、それ以降、労働法制が大改悪された。その結果、リーマンショック時には派遣切りが横行し、JALの不当解雇やIBMでのロックアウト解雇が行われるなどとんでもない状況となっている。解雇の金銭解決を含んだ労働法制大改悪に断固抗議し、阻止していくたたかいを強めよう」と呼びかけました。
消費税増税中止を求める国民集会
〜いのちを削る消費税増税は中止しろ!〜
正午から日比谷野外音楽堂で開催された「消費税増税阻止を求める国民集会」(同実行委員会主催)には、全国から5000人を超える参加者が集結しました。
主催者を代表してあいさつに立った保団連の住江憲男会長は、「東日本大震災の被災地では復興が進まず、年収200万円以下の人々が1000万人を超えるなか、消費税増税は断じて許さない。消費税増税にストップをかけるため、大きな世論をつくっていこう」と呼びかけました。
呼びかけ人を代表して、ジャーナリストの斎藤貴男さん、弁護士の宇都宮健児さん(反貧困ネットワーク代表)が、政党からは志位和夫・日本共産党委員長があいさつ。斎藤貴男さんは、「消費税が10%になれば、中小零細企業は価格に転嫁できず、ことごとく仕事がなくなり生活ができなくなる。経済を根底から崩す」と語り、「消費税増税は私たち1人ひとりの命そのものにかかってくる。なんとしてもたたきつぶそう」と呼びかけました。宇都宮健児さんは、「消費税が増税されれば、ますます貧困と格差が拡大する。消費税増税よりも、富裕層への課税を強化して社会保障を通じて所得の再配分を行うべきだ」と述べました。
つづいて、東日本大震災の被災地住民、女性、年金者、労働者、農民、中小業者などの代表がリレートークを行い、「被災者の仕事や収入の確保は依然として厳しく、消費税増税は被災者に過酷な税金だ」(消費税増税率引き上げをやめさせるネットワーク・沼倉優子代表世話人)、「年金や生活保護など社会保障の改悪がされようとしている。その上、いのちを削る増税は許されない」(年金者組合・藤巻惠子さん)、「タクシー労働者の賃金は安心して生活できる賃金には程遠い。消費税が増税されれば、急激な需要減によって賃金の大幅低下、倒産の増加で大打撃を受ける。最低賃金の大幅引き上げと消費税増税の中止を勝ち取るために奮闘していこう」など、庶民に負担を強いる消費税への怒りを表明しました。
「大増税中止の力を全国に広げ、主権者として『増税中止』の審判を下そう」と集会アピールを採択し、集会後、参加者は「消費税増税なんてとんでもねぇ」「許すな!消費税大増税!」などの横断幕を掲げ、国会に向け大デモ行進を行いました。
デモ解散後には、「公務労働者の賃金・労働条件の改善、公務公共サービス拡充」、「労働法制の規制緩和に反対し、安定雇用と賃金底上げ・均等待遇の実現」を求め、国会議員への要請行動に取り組みました。