全労連・国民春闘共闘・東京春闘共闘は5月28日、解雇の自由化許すな!労働法制の規制緩和反対、すべての労働者の働くルールの確立、最低賃金の大幅引き上げ、公務員賃金の改善などを求めて、第1次最賃デー5・28中央行動に取り組みました。
早朝宣伝行動にはじまり、厚生労働省・人事院前の要求行動、日比谷公会堂での総決起集会、国会請願デモ、国会議員要請などを終日にわたって展開し、1000人が参加しました。
●厚生労働省・人事院前要求行動
「人勧・最賃」一体の夏季闘争がスタート
11時からスタートした厚生労働省・人事院前行動で主催者あいさつにたった国民春闘共闘の伊藤潤一代表幹事は、アベノミクスによる円安や物価上昇が中小企業の経営にも影響を与えていることやデフレ脱却のためにも賃金引き上げが必要であることを強調し、公務員賃金引き上げや生活保護制度の改悪中止、非正規労働者の労働条件引き上げ、労働法制改悪阻止などのとりくみ強化を訴えました。
全労連の井上久事務局次長は、情勢報告で「自民党は、世界で一番企業が活動しやすい国づくりを参議院選挙の公約にすると言うがとんでもない。きっぱり審判を下すたたかいをつくろう」と切り出し、現在規制改革会議がすすめている労働法制の改悪内容を報告しました。
続いて各単産・地域からの4人が決意表明に立ちました。公務部会の九後健治事務局次長は、公務員賃金をめぐる最新の情勢を報告しつつ、「官民を問わず、労働者が人間らしく暮らせる賃金、やりがいの持てる賃金、落ち込んだ日本経済を立て直す原動力になる賃金の実現にむけてたたかう」と決意をのべました。
生協労連ユーコープの佐伯かをり副委員長は、今年の静岡県の最賃審議委員任命にあたって、静岡県評が推薦した3人について任命せず理由も明らかにしなかったことをあげ、「今の状況は日本の危機。危機の時こそ基本に戻るべきであり、労働者の立場に立った最賃議論ができるようなメンバーを任命すべき」と訴えました。
静岡自治労連の青池則男特別執行委員は、非正規労働者から寄せられた「低賃金考えなければ いい仕事」などの川柳を紹介し、低賃金や休暇制度、雇い止めなどの切実な要求実現が必要であることを強調しました。埼労連の諸井武志幹事は、埼玉での取り組みを紹介しつつ、「埼玉からも政治を変えるためがんばる」と力強く締めくくりました。
最後に、人事院・厚生労働省に向かってのシュプレヒコールで、公務員賃金引き上げ、最低賃金1000円の実現などの要求をぶつけました。
●中央総決起集会
労働法制の規制緩和許すなと「ミニ講演」で学習
12時すぎから日比谷公会堂で「賃金と雇用の改善を!許すな、労働ビッグバン・TPP・消費税増税!5・28労働者総決起集会」が開催されました。
全労連の大黒作治議長が主催者あいさつし、「アベノミクスで生活は改善されず、そのうえ首切り自由、限定正社員など労働法制の大改悪をねらっている。働くものがたたかいの先頭に立ち、労働組合が社会的役割を発揮しよう。憲法9条改悪を許さず、政治の転換へ奮闘しよう」と訴えました。
反貧困ネットワーク代表で元日弁連会長の宇都宮健児弁護士が連帯のあいさつをのべ、「生活保護水準を下回る地域最賃もあるうえ、自公政権は生活保護受給者へのバッシングを強めている。安倍首相は生活保護水準、最低賃金で生活してみるべきだ」と怒りを込めて、貧困と格差是正の重要性を訴えました。
その後、自由法曹団常任幹事の加藤健次弁護士から、解雇自由化など労働規制緩和にかかわって約20分間の「ミニ講演」があり、政府がねらう労働法制改悪の現局面と問題点をわかりやすく報告しました。加藤弁護士は、「労働分野の規制緩和によって、雇用と生活が成り立たなくなる。憲法を焦点に据えてたたかおう」と強調しました。
つづいて、行動提起を全労連の小田川義和事務局長がおこない、さまざまな経済指標も示して「アベノミクスの5本の矢」が国民に限りない痛みを迫ることや、安倍内閣の経済・財政政策は、小泉「構造改革」の焼き直しであることを明らかにし、国民世論に訴え、すべての労働者の共同をひろげるため、職場や地域からの奮闘の重要性を訴えました。
闘争報告をうけて4人が決意表明。「組合のない未組織職場、不安定労働者が増えている。正規も非正規も共同できるよう全国一律の最低賃金制をつくろう」(全労連・全国一般東京・森治美書記次長)、「社会保険庁の不当解雇撤回で大島さんが解雇無効の人事院判定が出され、職場復帰した。社保庁職員の解雇撤回とJAL・IBMにみられる乱暴な解雇は許さない」(国公労連・全厚生闘争団・國枝孝幸事務局次長)、「派遣労働者の権利を守れで、いすゞの裁判闘争が重要な局面にさしかかっている。また最賃裁判では15年でわずか60円しか時給が上がっていない悲惨な状況が意見陳述された。いすゞ裁判と最賃裁判、ともに支援をお願いしたい」(いすゞ裁判原告団・神奈川労連青年部・三浦慶範書記長)、「『骨太方針』が復活することに、名古屋出身の『骨太おばちゃん』は怒っとる。年収180万円のヘルパーや260万円の学童指導員やトラックドライバーも人間らしく生きるルールを確立しよう」(建交労・角田季代子副委員長)など、それぞれ応援団を従えながら決意を力強く表明しました。
閉会あいさつで、国民春闘共闘の松本秀典事務局次長は、「最賃引き上げは世界の流れであり、人勧闘争と一体でたたかおう」とのべ、団結がんばろうを全員で三唱して夏季闘争勝利への決意を固めあいました。
参加者は、国会に向けて請願デモに出発し、シュプレヒコールを響かせました。デモ解散後は、解雇自由化など「労働ビッグバン」反対、パート労働法・均等法改正、最低賃金改善、公務員賃金引き下げ反対で、すべての国会議員に要請しました。