全労連は第49回評議員会を７月31日、８月１日の両日、東京・「ベルサール新宿グランド」で開催した。安倍政権の復活で、政治の右傾化と新自由主義「構造改革」が一気に加速するもと、大企業中心、経済効率重視の社会の転換をめざし、原発ゼロ、TPP参加反対、消費増税反対などの国民共同で労働組合の積極的な役割を発揮し、「安定した良質な雇用」を対決軸に、労働法制改悪、社会保障解体に対する全国規模のたたかいや、憲法をくらしと職場にいかす「かがやけ憲法！全国縦断キャラバン」など、第26回大会方針を補強する運動方針を採択。秋季年末闘争方針などを採択。幹事２人が退任し、新役員２人が新任された。
大黒作治議長はあいさつで、「都議選でも参議院選挙でも自民党が大勝し、民主党が惨敗したが、日ごろから私たちの要求実現に協力・共同を積み重ねてきた日本共産党が躍進した。マスコミ各社が『白紙委任ではない』というように、民意は景気や雇用などの経済政策、年金や医療など社会保障を国民本位に転換させることを望んでいる。『希望に輝く未来のために』と誕生した全労連の原点を受け継ぎ、大きく発展させるために労働運動の役割を発揮しよう」とよびかけた。
小田川義和事務局長が「運動方針案（第26回大会方針の補強）」と「2013年秋季年末闘争方針案」を提案した。
●討論から
組織拡大強化に向けた積極的な取り組みがすすんでいる。「組織化推進委員を2500人にして毎年1000人純増をめざす」（建交労）、「公契約運動に取り組むなかで清掃ユニオンが結成された。運動がすすめば組合員も増えるではなく、組合員が増えなければ運動もすすまないという意識改革が必要」（道労連）、「ブロック単位で青年の交流が広がり元気のなかった地方で青年組織が動き出している」（全労連青年部）など、意欲的な実践が語られた。
純増を達成した組織からも、「職場で１人だった組合員が少しずつ拡大して労組が影響力を持ちつつある。１人ひとりが組織拡大に目を向ければ可能性は広がる」（長野県労連）、「総がかり作戦や新人獲得の推進体制を組み、５年連続で増勢」（日本医労連）など、豊かな経験が報告された。
秋の中心的な取り組みとして提起された「かがやけ憲法キャラバン」は、「実行委員会をつくって成功させたい」（埼労連）と積極的に受けとめられ、「道州制の導入や公務員制度改革など地方自治体にとって重大な時期。2016年７月までに全自治体への憲法キャラバンを具体化する」（自治労連）、「I LOVE 憲法メッセージ集をつくり、９月に一斉行動ゾーンに取り組む」（全教）などの報告とともに、「かがやけ憲法キャラバン」成功のため、奮闘する決意が述べられた。
労働法制改悪、公務員賃金削減が狙われるなか、「全基労が間接差別是正の申し立てを労働局に行うなかで転勤なしで女性が昇格した」（特殊法人労連）、「限定正社員と同じ人事制度の提案に団交で年収を引き上げさせた」（郵政産業ユニオン）、「産別団交で改正労契法に関して安易な雇い止めはしない、分社化される部門では雇用を保障するなど成果を引き出した」（映演労連）、「7・8%賃下げが強行され、提訴したたかっている。３月年度内に判決の予定であり、たたかいを強め、勝利判決を勝ち取りたい」(国公労連)、「国による賃金削減の強制に大半の単組で『国のいいなりにはさせない』という重要な到達点を勝ち取り組合員拡大でも前進した」（自治労連）など、たたかえば要求は前進することを示す発言が続いた。
東日本大震災と原発事故からの復旧・復興がすすまない被災地からは、「高濃度汚染水を海に出し続けるなど今も危機的状況。収束宣言の撤回、原発ゼロを求める県民過半数署名に取り組む。11月２日の福島県民大集会には全国から参加を」（福島県労連）、「土地の高騰や公営住宅の建設の遅れで住宅確保が大変。生活再建支援金500万円は切実な要求」（いわて労連）といった厳しい現状が報告された。
原発立地県からは自然エネルギーの活用で地域経済を再生させる住民条例制定の署名運動の取り組み（しまね労連）や、大間原発建設を阻止する共同行動（青森県労連）などについて発言があった。
