全労連・労働法制中央連絡会は4月23日、「派遣法大改悪法案を廃案に!STOP安倍『雇用改革』4・23院内集会」を参議院議員会館内で開き、70人が参加しました。「派遣法大改悪法案は審議入りするな!廃案にせよ!」−そのための運動を職場・地域で広げていく決意をかためあう集会となりました。
全労連の生熊副議長(JMIU委員長)が主催者あいさつ。「すべての労働者に害ばかりの労働法制の大改悪。その突破口として派遣法の大改悪がされようとしている。22日朝日新聞のトップで、残業代ゼロを一般社員に拡大することを産業競争力会議が検討との報道がされた。第1次安倍内閣時にホワイトカラー・エグゼンプションが出されたが、残業代ゼロ法案だと世論と運動が盛り上がり国会に上程することができなかった。労働者・国民の力で政治は変わる。私たちの力で勝ち取っていくことが大事だ。労働法制改悪阻止のためにがんばろう」と呼びかけました。
「労働者派遣法を大改悪する『生涯派遣・正社員ゼロ法案』」と題し、自由法曹団の鷲見弁護士を講師にミニ学習会を行いました。鷲見弁護士は、派遣法制定時に常用代替防止のために期間制限が設けられたことなど派遣法制定から改悪されてきた経緯を説明。「常用代替は正規を守るものというが、とんでもない。派遣を便利扱いせず、直接・正規雇用にすること、期間制限があると派遣労働者がずっと働けないというが、期間が過ぎたら正規にせよと迫ることが重要だ」「3年に1度、労働者に意見を聞き、勤務する課などを変えれば企業は未来永久に派遣を使い続けられる。企業は正規で雇わなくなり、生涯派遣、正社員ゼロ社会になる」と指摘しました。さらに労働者派遣の問題点として、労働者への安全衛生等の責任があいまいになり、製造業派遣が解禁されて以降、労働災害が激増していることについても述べました。
労働法制中央連絡会の井上事務局長が「派遣法など安倍雇用改悪をめぐる情勢と当面の取り組み」を提起。はじめに、いっそう加速する安倍「雇用改革」として、(1)労働者派遣の大改悪法案、(2)有期雇用の特別措置法案、(3)労働時間法制の大幅な骨抜き、(4)短時間正社員の雇用ルール整備、(5)労働移動型への労働政策大転換、(6)繰り返される「雇用特区」づくり、(7)外国人労働者の受け入れ拡大について述べ、改悪の突破口に派遣法の大改悪があり、それにより「生涯派遣・正社員ゼロで、ブラック企業社会がすすむ」と指摘。「派遣法を審議入りさせない、廃案にする、そういう状況をつくることが重要。職場・地域から学習と議論を広げ、署名・宣伝を強化すること、地元国会議員や厚生労働委員への要請、5・22中央行動の成功、雇用共同アクションでの5・9議員会館前座り込み行動、6月予定の大集会の成功などの取り組みを強調しました。
参加者から8人が発言。「自治体でも非正規、派遣が増えている。派遣法の改悪でさらに派遣が広がり、労働者全体の労働条件悪化が懸念される」(自治労連)、「就業規則の変更で解雇要件を変更し、解雇を自由化しようとする動きがある。非正規の賃金は最賃に張り付いていることが多く、最賃闘争と労働法制改悪反対を車の両輪としてたたかう」(全国一般) 、「派遣法の改悪で、直雇用パートの派遣への置き換えがすすむことが危惧される」(生協労連)、「県労連の役員を講師に労基法などの学習を各地で行っている。学びを力に労働法制改悪をストップさせたい」(新婦人)、「自由法曹団の弁護士の協力を得ながら、機関紙号外や自由法曹団のリーフを使って学習し、地域に出て宣伝・署名をすすめていきたい。舛添都知事が特区で東京発の規制緩和を行おうとしており、阻止のたたかいも重要になっている」(東京)、「裁判への支援に感謝する。派遣法の改悪は、非正規だけの問題ではなく、正規の問題でもあると訴えている」(JMIUいすゞ自動車支部)、「進路未定で社会に出る高校生が増加。正規で働きたいとハローワークに行っても求人がない。自治体キャラバンで自治体や経営者と懇談すると、若者に地域に残ってもらいたいということでは意見が一致する。地元で安定した雇用をつくることが重要」(全教)、「客乗裁判の判決が5月15日から6月3日に延期された。安倍雇用破壊の解雇自由な社会をつくる、その矢面にたったたたかいだ。みなさんのお力をお借りしながらがんばっていく」(JAL闘争団)など、職場の状況や決意などを話しました。
さらに、夜には、雇用共同アクション主催の「許すな派遣法大改悪4・23学習決起集会」が日比谷図書文化館コンベンションホールで開かれ、160人が参加しました。