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「許すな残業代ゼロ!成長戦略2014批判緊急学習集会」を開催
労働法制中央連絡会・全労連

写真 労働法制中央連絡会・全労連は7月11日、全労連会館2階ホールで「許すな残業代ゼロ!成長戦略2014批判緊急学習集会」を開催し、80人が参加した。東洋経済新報社の風間直樹記者が「雇用がゆがむ ヒラ社員も残業代ゼロ構想の全内幕」と題し講演。質疑応答の後、労働法制中央連絡会の井上事務局長(全労連事務局次長)が行動提起「成長戦略2014と当面する反撃」を行った。

官邸の中心で「残業代ゼロ」を画策する経産省
 風間氏は、始めに5月24日付『週刊東洋経済』の特集「雇用がゆがむ 官製ベア・残業代ゼロ・解雇解禁の点と線」について、「安倍内閣が雇用・労働問題について何を考え、何を狙っているのか、その本音、内幕に迫りたいと、ほとんど一人で書いた」と思いを述べた。安倍雇用改革について、「素人が思いつきをぶちあげ、問題が起きたならその場で考えようというもので、間違えれば過労死など命にかかわるテーマなのに緻密さがない」と指摘した。
 「残業代ゼロ」構想について、「昨年末に産業競争力強化法が通り、これまで以上に力を発揮したい経産省にとって安倍政権の存続が重要。今後のアベノミクスの浮沈には株価の動向が懸っている。その動向を握る外国人投資家に何がうける政策か―経産省は、『日本は規制が、がんじがらめで解雇もできない。規制緩和が必要だと思っている外国人投資家に、安倍政権は岩盤規制をとっぱらい雇用を流動化させているという姿勢をみせることが重要』と考えた。そして今や官邸の中心に座っている経産省が、厚労省にはまかせておけないと絵を描きだした」と話した。「経産省は表には出なかったが、初めに『スマートワーク(仮称)』というもので平社員までの残業代ゼロを画策した。しかし、本音を出しすぎては進まないと、女性の活用を前面に出し作り変えた。それが長谷川ペーパーのA案(労働時間上限要件型)」と話し、「経産省は株価浮揚のために政策をもてあそんでいる」と指摘した。
 「すでに労政審で新たな労働時間制度の創設での審議が始まっているが、年収要件の1000万円以上について使用者側から、『1000万円以上では、中小企業は活用できない。多くの人が対象になるように』と要請されている」と話し、「労働時間規制が除外される、最低労働条件の規制が除外されるということは、労基署が取り締まりの根拠をなくすということであり、ブラック企業におすみつきを与えるものだ」と強調。そして「『残業代ゼロ』は重要だが、そこにばかり気が向いていると、裁量労働制がガタガタにされる危険性があるので注意が必要。対抗する運動をどう作っていくか、労働運動に期待したい」と結んだ。

職場・地域から学習、新署名、働くルール作りを
 労働法制中央連絡会の井上事務局長が行動提起。「6月24日に安倍内閣は『経済財政運営の基本方針2014』(骨太の方針)、『日本再興戦略・改訂2014』(成長戦略)などを閣議決定した。『稼ぐ力』を強調し、労働法制の全面破壊に踏み込み働き方を壊そうとしている。軍事・外交とともに経済面でも大国化路線を推し進め、アメリカと一緒に戦争する国づくり、一握りの大企業に全面奉仕するグローバル国家づくり(国の大改造)を追求していることを押さえる必要がある」と強調。「派遣法改悪案を廃案に追い込んだ運動と成果を確信に、派遣法改悪、残業代ゼロ、8時間労働制の全面破壊を阻止することが重要」と述べ、(1)学習を広げ、職場・地域から安倍『雇用改革』を許さないたたかいを広げる、(2)新たに提起する署名(派遣法・労働時間・解雇しやすい仕組みづくりの3点。9〜12月に短期集中)を軸に、安倍雇用破壊ストップの世論と行動を作り出す、(3)職場・地域からは働くルールを守る運動を広げる、との当面の取り組みの重点を訴えた。

 
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