全労連・春闘共闘は集中回答日翌日の3月12〜13日、50万人の参加を目標に、大幅賃上げ、労働法制大改悪、戦争する国づくり反対の3課題と、重税反対とを結んで、全国でいっせいに、ストライキ、宣伝行動、集会、デモなどを行いました。
内部留保をため込みながら「ゼロ回答」に怒り―通信労組
月額3万円以上、時間額250円の賃上げ、労働条件の改善などを要求に掲げた通信労組は3月12日、NTTグループ各社の「別途回答」とする不誠実な「実質ゼロ回答」に断固抗議し、始業時から10時までストライキをたたかい抜いた。全国24都道府県・22支部、81事業所、160人の組合員が決起。東京・大手町にあるNTT持株会社前での「3.12ストライキ総決起中央行動」には100人が結集し。宇佐美俊一委員長が主催者あいさつ。「NTTグループ各社は、生活改善のための切実な要求に応えないばかりか、まず有額回答を示してストライキを回避しようという誠意すら示さない。NTTは、ため込んだ内部留保のわずか3.88%、金額で3550億円を労働者に還元するだけで、NTTグループ会社で働くすべての労働者の3万円の賃上げと非正規雇用労働者の時給改善が実現可能。グループ各社は、企業の社会的責任果たし、満額のベースアップ回答を強く要求する」と述べました。
行動には単産、地方、地域から多くの労働組合が激励に駆けつけました。井上久全労連事務局長、森田稔東京地評議長、生熊茂実JMIU委員長、兼子隆郵政ユニオン中央執行委員、内田妙子JAL不当解雇撤回客乗原告団団長が激励、連帯挨拶しました。
通信労組の玉宅茂東京支部執行委員がストライキ宣言、池田澄夫東京支部委員長が決意表明を行い、最後に参加者全員で持ち株会社に向かって怒りのシュプレヒコールを行いました。
安心・安全・安定輸送には、賃上げ、安定した雇用が不可欠―建交労鉄道東京地本
建交労鉄道東京地本は3月12日、4万円のベースアップを掲げ市ヶ谷駅前でトライキ突入集会をお昼に行いました。組合員、支援者を含め110人が集まりました。全労連の野村副議長をはじめ、東京春闘共闘、千代田区労連、首都圏交運共闘、京王新労が連帯あいさつを行いました。
はじめに建交労鉄道東京地本の永渕委員長があいさつ。「市ヶ谷では11時から指名ストに突入した。JR東日本が内部留保の3.5%を取り崩せば7万人の社員の賃上げができる。京浜東北線で脱線事故が起こったが、こういう重大事故の背景には、要員削減、外部委託化、非正規化ということがある。安心・安全・安定輸送には、定昇、ベア、安定した雇用は不可欠だ」と決意を述べました。
分会の井上副委員長が決意表明。「JR東日本の清掃を行う環境アクセスという会社では、人手不足で労働強化、パワハラ、雇用不安にさらされている。賃金は何年働いても1円も上がらず、今年の回答もゼロだ。契約社員が増大しており、契約社員がいないと成り立たない状況があるが、1年4回更新、5年で雇止め。市ヶ谷駅でも4人が辞めていった。JR東日本は子会社をつくり、雇止めになった人や正社員試験で不合格だった人を採用するなど、若者を使いまわしている。若者が安心して働き、暮らせる、安全・安心な公共サービスの実現をめざし奮闘する」と力強く語りました。
スト集会、デモに300人が結集―東京・三多摩
陽がさして、風はあっても春を思わせる陽気のなか、三多摩春闘共闘会議は3月12日、JMIU東京地本西武地区協議会と共催で集会とデモを行いました。
立川市の曙一丁目公園で行われた三多摩統一ストライキ集会には、半日ストで参加したJMIUの組合員はじめ、京王新労組や民医労など300人が参加しました。
主催者あいさつで三多摩春闘共闘会議代表委員の菅原一茂さんは、「大幅賃上げと雇用の安定を実現することによって憲法を守り、安倍暴走政治をストップできる。力を合わせる最後までたたかいぬこう」と呼びかけました。長尾ゆり全労連副議長、森田稔東京春闘共闘会議代表、生熊茂実JMIU中央執行委員長が次々にマイクを握り激励しました。
5組合が決意表明。「ゼロ回答に怒り。賃上げと長時間労働なくすため始発からストライキでたたかっている」(建交労京王新労)、「4万円賃上げと増員を求めるとともに、患者負担なくせ、白衣を再び血で汚すなと全日赤が時限スト、民医労は指名スト、女子医大でも賃下げ提案に対し10数年ぶりの昼休み抗議集会などでたたかっている」(東京民医労)、「民間賃金を引き上げてこそ公務の賃金も上がる。全都で時間外の職場集会をしたり、地域集会に参加している。全ての労働者が幸せになれるたたかいに合流する」(東京自治労連)、「毎月の駅頭宣伝、学習会などに取り組んでいる。つくる会の教科書採択は許さない」(八王子労連)、「大幅賃上げとともに、昨年勝ち取った2000円のベアを昨年入社の新入社員の賃金に反映させるたたかいに力を入れている」(JMIU西部地協リオン支部)など、たたかいを交流し激励しあいました。
集会の後、参加者は「うたごえ」の仲間におくられ、立川駅前の繁華街を通るデモ行進に出発しました。デモの後、JMIU西部地協の仲間は立川駅前で、春闘宣伝を行い、通勤、通学、買い物客にアピールしました。
大幅賃上げで経済の好循環を―徳島労連
徳島労連は12日、「15国民春闘勝利3.12徳島駅前決起集会」を、12時から13時まで開催しました。昼休みには職場集会が開かれることもあり、少人数でしたが指名ストライキを行った医労連をはじめ建交労、自治労連、国公労連、JMIUの組合員が参加し、宣伝やアピール行動を行いました。集会では、県春闘共闘の山本代表幹事が主催者を代表してあいさつ。「消費税や円安による物価高で実質賃金は大幅に引き下げられている。大幅賃上げで経済の好循環をつくるために奮闘しよう」と呼びかけました。共産党、新社会党から連帯のあいさつをもらい、各産別代表が状況報告と決意を表明しました。
自治労連からは、「県立中央病院では徳島労連の回答確約交渉のなかで、任用中断の間の社会保険を継続するという回答がはじめて得られました。引き続き春闘で前進回答を実現するためにがんばる」との報告と決意表明がありました。医労連からは、現場の実態を報告し、大幅な労働条件改善を制度の改善と併せて取り組むことを強調しました。集会の後、ティッシュに入れた「大幅賃上げ」チラシを駅前周辺で500枚を配布しました。
この日は、「重税反対統一行動徳島市集会」が9時半から徳島市立文化センター大ホールで開催され、集会とデモ行進に約600人が参加しました。同実行委員会は、徳島労連、徳島建労、民商、全生連、年金者組合、農民連の6団体で構成されています。
医労連は、デモの後、徳島市に介護問題で要請、昼集会の後も介護報酬引き下げ問題で自民党県本部への要請行動を行いました。
地域から職場から春闘の風吹かせる―岡山
岡山では3月12日、県医労連の民医労職場が前日の団交を受けて一斉職場集会と統一行動に270人が結集しました。通信労組のストライキには16人が激励しました。国労、県国公、高教組、自治労連などの組合員もかけつけ統一行動を盛り上げました。
生協労組おかやまは就業時に組合員1400人が春闘ワッペンを身に着けました。13日には220人の参加予定で団交に臨み、春闘回答の引き出しに集中します。
県医療連民医連部会では倉敷医療生協労組がすべての組合員に500円のベースアップ、看護師の初任給を2000〜4000円に引き上げるなど2年連続の賃上げを引き出しました。岡山医療生協労組は200円の引き上げ、JMIUは光軽金属が一律1300円の引き上げを勝ち取りました。
11時からは県医療連の仲間と共同で、社会保障制度拡充の署名に取り組み、35人が結集、署名122人分を集めました。岡山駅西口さんすて広場に組合員が立ち、40分間の宣伝でティッシュに入れた600枚の「大幅賃上げ」チラシを配布しました。署名に応じた年配の男性は「医療費が高い。安い薬をとお願いしているが負担が重い」と思いを語っていました。
県労会議は15000枚の全労連春闘チラシを地域に配布。13日の重税反対統一行動とあわせて地域から職場から大いに春闘の風を吹かせていきたいとしています。
15春闘を先行するJMIUは回答指定日翌日の3月5日、低額回答や回答延期に抗議し、全国で60を超える支部分会がストライキに総決起し、各地で終日の統一行動を展開しました。