7月24日、全労連・国民春闘共闘・東京春闘共闘・国民大運動実行委員会は、戦争法案・労働法制改悪阻止と全国一律最賃1000円以上、公務員賃金改善を求めて中央行動に取り組みました。中央行動後は12の課題で安倍政権の政策に反対する「安倍政権NO!官邸包囲行動」に合流し、終日国会周辺を騒然とさせました。
追いつめられているのは安倍政権
共同の輪をさらに広げ廃案に――― 7.24中央行動
朝から強い陽射しが照りつける猛暑と突然の雷雨に見舞われるなか、中央行動は昼の総決起集会、厚労省・人事院前要求行動、国会請願デモ、国会議員要請行動を行いました。午前中は各単産が独自行動を配置しました。
12時過ぎから日比谷野音で開催した「夏季闘争勝利7.24中央総決起集会」には全国から1800人が参加しました。
主催者あいさつで、国民春闘共闘の小田川義和代表幹事(全労連議長)は、「衆議院で強行採決された戦争法案はどんなに議論しても違憲に変わりなく、廃案しかない。学者、若者、女性、弁護士、総がかり行動など新たな共同が広がり、国会に数万人が連日押しかけ、これに呼応した自発的な取り組みが全国で広がっている。もっと私たちの声と行動を大きくするために全組合員、労働者が決起し国会閉会まで列島を騒然とさせるたたかいの先頭に立とう」と呼びかけました。また、経済財政諮問会議では最賃の大幅引き上げと中小企業支援の議論がされたことに触れ、「私たちの主張に耳を傾けざるをえない状況をつくってきた。最賃、公務員賃金を引き上げを勝ち取るたたかいに最後まで奮闘しよう」と強調しました。
連帯あいさつに、「安保関連法案に反対する学者の会」の呼びかけ人のひとりである専修大学の廣渡清吾教授が駆けつけました。「61人で呼びかけたアピールへの賛同は1万2210人を超えている。歴史認識を曖昧にし、謝罪も否定する安倍首相の姿勢は憲法否定と表裏一体。かろうじて残る平和の懸け橋をたたかいで維持しないといけない。私たちは9月27日まで粘り強く、可能な限りの行動を準備する。全国のみなさん、ともに頑張りましょう!」との力強いスピーチに、会場の参加者は大きな拍手で応えました。国会情勢報告を日本共産党の宮本とおる衆議院議員が行いました。
井上久事務局長が情勢報告と行動提起で、「安保闘争以来の変化が起きている。変化を確かにすることが社会からも期待されている。派遣法改悪法案も私たちのたたかいで成立するか分からないところまで追い込んできた」と運動の到達点を報告しました。
続いて5人が決意表明し、国民大運動実行委員会の笹渡義夫代表世話人(農民連副会長)の閉会あいさつと団結ガンバローで締めくくり、引き続く行動へ出発しました。
「労働法制・戦争法案反対」で指名スト
経営者も激励---全印総連東京地連
全印総連東京地連は、7月18日に開いた第163回定期大会で、「労働法制改悪及び安全保障関連法案反対」のストライキ権を確立しました。「2015年度運動方針案」として提案、大会では代議員44人による投票を行い賛成38票、反対5票(無効1票)と、多数の支持を得ています。
7月24日の中央行動には、9組織30人が指名ストや組合休暇で参加しました。
ある単組は、産別ストの批准投票で反対もありましたが、賛成多数で確立し、午後3時から2時間、1人の指名ストで中央行動に参加しました。会社に通告すると、社長からは「違法スト」と異議は出ましたが、処分などしないとのこと。会長からは「僕の代わりにやって来てほしい」と励まされました。「こんな風に賛同してくれる経営者もいます。安倍NO!退陣めざしてがんばりましょう!」と話しています。
(決意表明抜粋)
【自治労連大阪府職労保健所支部 後呂美也子さん】
青年5人を含む14人で参加した。5月の「大阪都」構想の住民投票まで組合活動に積極的ではなかったが、内容があまりにもひどいので何かしたいと思うようになった。戦争法によって財源や社会保障より日米同盟が重視され、住民にしわ寄せがくる。自治体としても戦争は無縁ではなくなる。戦時中、保健所は戦争ができる健康な国民をつくることを担わされていた。私は住民の命と生活をまもる仕事を続けたい。廃案までできることをやりたい。
【自交総連東京地連書記長 川崎一則さん】
最賃制度ができてから40年もたっているのに、審議員の偏向任命や地域間格差が是正されないのはおかしい。最賃引き上げは目的ではなく手段。タクシー労働者はほとんどが歩合給で利用者が増えないと上がらない。国民の生活悪化は困る。全国一律、人間らしい生活が保障できる大幅引き上げを求める。派遣会社会長の竹中平蔵氏はタクシー利用者が減っているのに規制緩和でタクシー台数が増えているのを適正化しようという運動を妨害している。正社員はみんな派遣にしろとも言った。そうすれば自分の派遣会社は儲かる。こういう人が権力を握っているこの国の構図を変えないといけない。99%が1%に支配されているのは99%が分断されているから。団結をつくるのはここにいる私たちの責任だ。
【全農協労連中央執行委員 齋藤 裕さん】
農業つぶし、農協解体につながる52に及ぶ法改正をたった24時間の審議で衆議院を通した。組織いじめがどうして農家の所得増につながるか、政府・与党は誰も答弁できない。法案でいう「農業者」は戦後日本の農業を守ってきた家族経営農家ではなく、成長戦略に描き出された参入企業もくくるからくり。価格を暴落させ家族農業を立ち行かなくさせ、地域を支える農協の事業を解体して企業の儲けに走る法改正だ。地域で生業と生活が壊されることと地方創生は全くかみ合わない。TPPと一体になった政策推進は国と国民を守ることに背く許しがたい蛮行だ。地域に人が住めなくなる危機、生きるための食糧と食の安全を揺るがす矛盾と問題だらけの農協改革関連法案は廃案しかない。
【JMIU日本IBM支部委員長 大岡義久さん】
私たち労働者の権利を奪う安倍政権の3本目の矢が飛んできている。派遣法改悪、残業代ゼロ、解雇の金銭解決、これらを絶対許してはいけない。IBMは社内で不正があるのではと調査依頼したら解雇、子育て短時間勤務の女性を業務量が不足と解雇、残業代支払いを要求したら解雇。労働条件の改善を要求する私たち組合員を2012年から35人も解雇した。労働法制の改悪は「ブラック企業」をうむのではなく「ブラック国家」をうむ。解雇撤回を求める裁判を7つたたかっている。中労委がIBMの不当労働行為を認める勝利決定を出し非常に元気づけられている。解雇された労働者を会社にもどすまでがんばる。
【出版労連副委員長 寺川 徹さん】
出版労連は7月10日の定期大会で言論・出版表現の自由を守り、戦争法案に反対するスト権を確立した。70年前、出版界では戦争に不都合な真実を伝えようとすると検閲され、発行禁止に追いやられた。大本営発表を垂れ流し、戦争熱をあおる一端を担ってしまった。戦後の出版界はそれを痛切に反省し、二度と戦争に協力しないと誓ってスタートした。その決意が壊されようとしている。労組がもつ最強の手段であるスト権で対抗し立ち上がろうと決めた。戦争で最初に殺されるのは真実だ。真実を伝える出版を守るため、戦争法案廃案までみなさんとともに頑張る。
70,000人が安倍政権NO!―――7.24官邸包囲行動
24日の夜には戦争法案の強行採決をはじめ、原発、憲法、辺野古新基地建設、秘密保護法、TPP、消費税増税、社会保障改悪、労働法制改悪、農業・農協改革、ヘイトスピーチ、教育など12の課題で安倍政権のすすめる暴走政治に反対する行動が日比谷野音、官邸前、国会前で展開されました。7万人が参加し、中央行動に参加した全国の仲間も多数合流しました。
日比谷野音集会では、憲法学者の小林節さん、精神科医の香山リカさん、沖縄・ヘリ基地反対協議会の相馬由里さん、「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」の杉原洋さんがスピーチ。各課題に取り組む運動団体のリレースピーチには全労連の伊藤圭一常任幹事が登壇し、「派遣法改悪や労働時間規制緩和、解雇の金銭解決と労働者・国民を苦しめる安倍政権はいらない!」と声をあげました。
官邸前から国会正門前にかけて行われた包囲行動では、村山富市元首相をはじめ、共産党や民主党・社民党の国会議員らもスピーチしました。国会周辺は、「アベはやめろ」「戦争したがる総理はいらない」との声に包まれました。