8月30日、総がかり行動実行委員会が呼びかけた国会包囲行動は12万人の空前の規模となりました。国会周辺だけでなく霞が関の官庁街や日比谷公園にまで人があふれ、身動きが取れないほどでした。また同日、全国47都道府県1000カ所以上で集会やデモ、宣伝行動などが繰り広げられ、列島を騒然とさせました。
押し寄せる人波 あちこちから湧き上がる「戦争法案ゼッタイ廃案!」
国会には14時の開会前から全国から人波が押し寄せました。最寄り駅だけでなく周辺駅でも電車が止まるたびに参加者がどっと降り、駅の外に出るまで大変な時間を要しました。弱い雨が時折降るにも関わらず開会後間もなく、国会正門前の通りは人々で埋めつくされました。自然とあちこちから太鼓や笛を鳴り響かせ「戦争法案ゼッタイ廃案」「憲法まもれ」「戦争したがる総理はいらない」「安倍政権は民衆の声を聴け」とのコールが湧き上がりました。
国会包囲行動のステージは国会正門前をメインに、霞が関の日比谷公園前と永田町の国会図書館裏にも設置されました。国会正門前では音楽家の坂本龍一氏が急遽スピーチ。「日本人のなかに憲法の精神、9条の精神がここまで根付いているとはっきりと示された」とのべ、参加者から大きな拍手が送られました。
大阪でも扇町公園に2万5000人が結集するなど、全国で「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30国会10万人・全国100万人大行動」が1000カ所以上で開催されました。
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日比谷公園霞門 |
国会図書館前 |
全労連が都内5カ所で大宣伝 全国から570人参加
全労連は、「大行動」成功のため、「8・30大行動」の前段に東京都内5カ所での大宣伝(演説会)行動を配置し、単産はじめ全国の地方組織から570人が参加。戦争法案の廃案と「8・30大行動」への参加をよびかけました。
新橋駅SL前 公務単産と新幹線1両貸切で東海北陸ブロックから 266人の大宣伝
戦争法案反対の8.30新橋駅SL前宣伝行動は8月30日12時15分から13時まで、国公労連、自治労連、全教、郵政ユニオン、愛労連などから266人が参加しておこなわれました。用意したチラシ500枚はすぐになくなり、署名は51人分集まりました。
宣伝カーの上からは、全労連根本副議長が、「平和こそ最高で最大の国際貢献。『8・30大行動』と全労連の全国統一行動を成功させ、安倍政権が身動きできないくらい運動と世論を広げよう」と訴えました。
続いて、国公労連岡部委員長、自治労連猿橋委員長、全教蟹沢委員長、愛労連鈴村副議長が戦争法案廃案、国会包囲大行動への参加を訴え、SL前の広場は演説を聞く人で埋まり、さながら演説会場のような状態になりました。特に、愛知からは新幹線一両を貸し切って参加し、SL前の宣伝行動に来た人だけで110人の参加になり、SL前は愛知のみなさんの横断幕が何枚も連なり、駅から見ると左右いっぱいに広がり宣伝効果は抜群でした。
新宿駅西口 開始前から次々に署名
「戦争法案廃案!安倍政権退陣!8・30」大行動の新宿西口大宣伝行動では、日曜日のお昼時12時15分の開始時間にはちょうど雨もあがり、開始前から署名に応じてくれる人も続出しました。宣伝には東京地評をはじめ和歌山、京都、兵庫、大阪の関西圏から50人が参加し、署名78人分を集約しました。
はじめに、全労連の小田川議長が、「一点共闘から戦争法案反対の輪が広がり、大きなうねりを巻きおこしている。参議院段階での議論を注視しながら必ず廃案へ追い込もう」と呼びかけました。東京革新懇の今井事務局長、自由法曹団の須藤弁護士、全日本民医連の石川副会長、和歌山県地評の東山副議長、兵庫労連の土井事務局次長がそれぞれ訴えました。
戦争法案反対のチラシの受け取りもよく、喫煙ブースでの喫煙者にも「戦争NO!・9条守れ!」のプラカードを手渡し「一緒に国会を包囲しましょう」と呼びかけました。シール投票では、戦争法「賛成」の青年も、対話するうちに「反対」へ。対話では「国民に対する説明責任を果たさぬままの強行姿勢は許せない。歴史を知らない政治家は恐ろしい」などの声も聞かれました。
池袋駅東口 通り過ぎたけれど戻ってきて署名してくれる人も
池袋駅東口での宣伝には、栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、年金者組合などから約100人が参加しました。宣伝カーからは、細尾長野県労連議長、武藤栃木県労連事務局長、田野山梨県労事務局長、畔上埼労連副議長、真砂群馬県労会議議長、安藤群馬県労会議事務局長、野村全労連副議長が訴えました。
1時間で署名は85人分が集まりました。鳥取から遊びに来たという工学部の男子学生は「とても不安を感じている」と署名。「これから国会包囲行動があるからぜひ足を運んで」と話すと「行ってみます!」と返してくれました。多くの署名を集めた山梨県医労連の野沢さん(看護師)は「一度通り過ぎたのが戻ってきて署名してくれたり、頑張ってと声をかけられたりして嬉しかった」と話しました。
上野駅マルイ前 子どものたちに戦争のない平和で豊かな国を手渡そう
上野マルイ前での宣伝行動には、千葉や東北各県から40人が参加。署名は33人分が集まりました。
5人の弁士が次々と訴え。全労連の井上事務局長は「今日は、国会に10万人、全国で100万人が戦争法案を止めようと総決起する。戦争法案は審議すればするほど、大変な中身であることが分かってきている。参議院の審議は77回止まり、まともに説明ができていない。今日の行動を大きく成功させ、戦争法案反対、9条守れ、平和な日本を守れの声を広げよう」と呼びかけました。
千葉労連の斎藤副議長は「戦争法案は憲法学者、弁護士など法律家から憲法違反との声があがっている。戦争する国、若者・子どもたちを戦場に送ってはいけない。憲法9条に誇りを持ち、戦争法案NO!を安倍政権にぶつけよう」と訴えました。
福島県立高教組の小林さんは「安全保障関連法案というが戦争法案であることは明らか。憲法9条を無力化する戦争法案には絶対反対だ。安倍首相は国民が理解していないと言うが、本質を見抜いているから反対している。子どもたちに愛国心を押し付け、国家総動員しようとしている。戦争のない、平和で豊かな国を手渡そう」と呼びかけました。
秋田県労連の越後屋事務局長は「秋田県議会では県議会段階で初めて『安保関連法案の今国会成立を求める意見書請願』が7月9日採択された。あたかも県議会議員全員が、ひいては県民が戦争法案に賛成であるかのような行為に怒りが爆発し、『県議会議員9条の会』が立ち上がり、青年・学生、女性などが行動に立ち上がっている。共同のたたかいが広がり、今日も1000人の行動が行われる」と秋田でのたたかいを紹介しました。
千葉労連の山崎事務局次長は「私は、戦争はイヤだ。嫌いだ。歴史を学び、世界の紛争を見てきてそう思う。戦争法案が通れば、あなたの大切な人が戦場に向かうことになるかもしれない。あたり前の生活ができなくなるかもしれない。みなさん、自分のこととして考えてほしい。声をあげ、足を踏み出してほしい」と訴えました。
銀座マリオン前 戦争法案廃案、安倍政権退陣の声が圧倒的
銀座マリオン前には、小雨ぱらつく中、神奈川労連はじめ北海道、東北、中四国、九州などから150人の仲間が結集。45分間で集まった署名は96人分。シール投票は、@戦争法案に「反対」が79、「賛成」が2、A安倍内閣を「支持しない」60、「支持する」0、「わからない」6となりました。
宣伝カーからは、7人が次々に訴え。最初に、全労連・高橋副議長が、「戦後70年、日本は憲法9条の下、戦争によって一人も殺さず、一人も殺されず平和を守ってきた。戦争法案は明確に憲法に違反する。絶対に廃案にしましょう」と訴えました。
北九州地区労連・道下事務局長は、「安倍首相は、一体この国をどこに連れて行こうとしているのか。狂っているとしか思えない」と話し、岡山県労会議・弓田事務局次長は、「自分には1歳半の子どもがいるので本当に心配。一人ひとりの暮らしに戦争は入り込んでくる」とのべ、神奈川労連・山田副議長は、「アメリカと一緒に戦争をすることを可能にするのが戦争法案、自分には関係ないと思う人もいるかも知れないが、神奈川には米軍基地があり、正に日常の問題」と話し、それぞれ戦争法案の廃案を訴えました。
北海道労連・三上事務局次長は、「若い人の中に、戦争法案反対の声が広がっている。今日30日も道内30カ所でデモや集会が行われる。ご通行中の皆さんも、一緒に行動しましょう」と訴えました。
全労連・中野副議長(医労連委員長)は、「先の戦争では、3万人以上の看護師が徴用され、多くの犠牲を出した。軍の命令で負傷兵の命を奪う行為もせざるをえなかった。こんな悲惨なことは繰り返してはならない」とのべ、自交総連・高城委員長は、「正社員になれず不安定な生活を脱するために自衛隊へ、という若者もいる。私たちの組合員には災害救助などで国民の命を救うために自衛隊に入隊したという仲間が多い。戦争で殺し、殺されるために入隊したのではない」と話し、戦争法案廃案と行動への参加をよびかけました。