9月8日の参議院厚生労働委員会で派遣法案の採決強行があやぶまれる中、全労連・労働法制中央連絡会は9月4日、新宿駅西口で宣伝行動を実施し21人が参加しました。全労連・井上事務局長、野村副議長、仲野常任幹事、全教・小畑書記長、全労働・河村副委員長、自治労連・武田中央執行委員、民放労連・安部副委員長が派遣法案の廃案、労働法制の改悪反対を訴えました。派遣労働者の7割近くが「法案に反対」との新聞社のアンケート結果もあります。企業にだけ使い勝手のいい欠陥だらけの派遣法案は廃案にするしかありません。
井上事務局長は、はじめに憲法違反の戦争法案を批判し、派遣法案については「審議のなかで法案の欠陥があきらかになりボロボロだ。日本を派遣だらけにし、低賃金、使い捨て社会にするものだ。政府は施行日を9月30日に修正し、なんとしても期間制限違反のみなし雇用を発動させたくないということだ。派遣の自由化で低賃金・使い捨てが進めば内需も拡大しない。戦争法案と派遣法案は関連している。戦争はいやだ、人間らしく働き暮らしたいとの声をあげていこう」と呼びかけました。野村副議長は、派遣法案の問題点に加え8時間労働制の重要性について、仲野常任幹事は、外国人技能実習生が無権利のまま拡大されていく方向で法律が改悪されようとしていることの危険性を述べ、廃案を呼びかけました。
全教の小畑書記長は「正社員を限りなく削減し、低賃金の派遣労働者を増やす派遣法案に反対だ。高校生の就職内定率が改善されているというが、介護や建設と偏りがあり、非正規の仕事も多い。安倍雇用改革は働く尊厳をなくすもの。人間が大切にされ、人間らしく働けるルールを確立させよう」と訴えました。
全労働の河村副委員長は「政府は派遣労働者をキャリアアップ、スキルアップさせ、正社員の道を開くというが、派遣労働者はスキルや能力が低いのか。スキルとは関係ない。派遣先の意向で派遣労働者を使い続けているだけだ。派遣元が派遣先に対し、『うちの派遣を正規にしてほしい』と言うとは考えにくい。正社員への道を開くなどとんでもない」と述べました。また、1年に1回労働者の能力を、人材ビジネス会社を使って見直すと言いつつ値踏みするキャリアドックや企業によって恣意的な評価がされかねないジョブカードの問題点を指摘しました。
自治労連の武田中執は「みなし雇用制度は、違法派遣を是正させるための措置であり、自民も賛成して作られた。それをみなし雇用の施行日を前に、発動させないために改悪するなど許されない。政府は職権で強行採決をしようとしている。戦争法案と同じだ。強行を阻止するため、声をあげよう」と呼びかけました。
民放労連の安部副委員長は「職安法44条の例外として、派遣元がピンはねできる法律として派遣法ができ、何でも派遣ができるように拡大していった。さらに今回の改悪で生涯派遣、一生派遣にしようとしている。これは経済的徴兵制だ。派遣労働者はパワハラ、セクハラを受けてもがまんし、雇用不安を抱えながら働き、限界になってからやっと組合に相談してくる。格差拡大、女性差別の社会を作り出している。派遣法案も戦争法案も国民が無関心であってはやられてしまう。実態を知ってほしい」と訴えました。