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官製ワーキングプアをなくそう!
臨時・非常勤職員の労働条件改善を
臨時・非常勤職員集会を開催

写真 全労連公務部会と全労連・非正規センターは12月12日、東京都内で「臨時・非常勤職員交流決起集会」を開催し、50人が参加しました。集会では、基調講演、特別報告、現場からの実態報告で交流しました。
 非正規労働者が増加するなか、公務部会は08年から交流集会を開催し、公務職場で働く非正規労働者の雇用と賃金労働条件の改善・雇い止めを許さないたたかいを前進させてきました。今回の集会を通して、公務・公共サービス拡充と一体で、「官製ワーキングプア」と呼ばれる臨時・非常勤職員の労働条件改善をめざしていくことをあらためて確認しました。

非正規の実態を明らかにして均等待遇の実現を

写真 公務部会の臨時・非常勤職員専門委員会の青柳委員が開会あいさつし、全労連公務部会の岡部代表委員の主催者あいさつでは、「大企業の内部留保が300兆円を超えるなかにあって、労働者の賃金は下がり続けている。4割にのぼる非正規労働者の実態を社会的に明らかにし、均等待遇や雇用の安定など、要求前進をめざして奮闘することを意思統一したい」と呼びかけました。

 中村和雄弁護士から、「公務非正規をなくす方法〜非正規公務員の問題と課題」と題して基調講演をうけました。講演では、97年から日本の労働者の賃金が低下し続けているのは、企業が使い道のないくらいに内部留保を溜め込んできたからであること、非正規労働者をなくす方法として、当面、派遣労働の抜本改正、同一(価値)労働・同一賃金原則の確立、最低賃金の引き上げ、公契約条例の制定、労働時間規制、社会保障制度の充実が大切であることなどが強調されました。

 特別報告では、自治労連の松尾泰宏中央執行委員から自治体非正規職員の現状と課題について、全教の浅田明日香中央執行委員から学校現場における実態と課題について、国公労連の笠松鉄兵書記次長からは国の行政職場における非常勤職員の実態報告、郵政ユニオン佐倉支部の宇田川朝史支部長から労契法20条裁判の現状と課題について報告を受けました。また、生協労連・コープネットグループ労組の市川京子常任中央執行委員からは、多くの非正規労働者が働く生協職場の現状が報告されました。

臨時・非常勤職員からの切実な声がつづく

 参加者の発言では、国や地方自治体で働く臨時・非常勤職員から職場の実態が報告され、労働条件改善を求める切実な声があがりました。

(法務省の関連職場)
 法務局の窓口業務の市場化テスト・競争入札になって8年以上が経過するが多くの仲間が退職を余儀なくされた。従来業務を担っていた民事法務協会は入札で5つの法務局のみ110人の雇用で、正規は5人しかいない。臨時職員は3か月から6か月の更新で雇用不安を抱えている。人員不足、時給が安い、結婚・忌引き休暇や夏季休暇もなく、新人が入ってもすぐにやめてしまう。

(国の行政関連職場)
 雇止めの相談が増えている。パワハラや雇止めなどは人権問題だ。公務職場の非正規労働者を、法の狭間におくわけにはいかない。3年雇止めの問題で文科省とも交渉した。「ロックアウト解雇」も発生している。非正規労働者みずからが立ち上がり、声を上げていくことが大事だ。

(臨時教職員)
 夢を抱いて大学を卒業したが、バブルが崩壊し、現在も厳しい環境にある。育休もなく現場を去っていく人も後を絶えない。14年から社会保険料を勝ちとった。人間らしくこどもたちと向き合えるよう臨時教職員の本音を引き出してほしい。

(郵政職場の非正規)
 責任の度合いは、正規も非正規も同じだ。郵政職場の非正規労働者は20万人近く増えたのは事業体が変化したことにある。07年に民営化し「任用」から「雇用契約」になった。人件費とコスト削減が99年頃から顕著になった。郵政のみならず正社員化を求めたい。

(自治体の非常勤職員)
 自治体の非常勤・臨時職員は、現在60〜70万人とも言われる。処遇の低さが問題で、特に三多摩では6割超の19自治体が890円以下となっている。整理解雇や5年有期雇用による雇い止めを正面からたたかっている。

仲間を増やして官製ワーキングプアをなくそう

 これをうけて中村弁護士からは、「公務の非正規の実情問題はあまり知られていない。国民に知らせることが必要だ。非正規労働者も、外にむけて声を出てほしい。公契約条例・最賃など公務と民間の連携をつよめよう」と感想がのべられました。

 檀原毅也専門委員会委員長・公務部会幹事が、集会全体のまとめをおこない、「働くことで社会に貢献し、やりがいを持って働く幸せな労働者を増やすこと。非正規労働者が増加することは、この国の存立の問題に直結する。対抗する動きをつくっていこう」と呼びかけました。

 「集会アピール」を採択し、最後に非正規センターの関口副代表が、「16春闘での社会的な賃金闘争を呼よびかけ、仲間を増やしながら官製ワーキングプアをなくそうの声をあげ平和で人間らしくくらせる社会をつくろう」と閉会のあいさつをのべて終了しました。

 
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