全労連、国民春闘共闘、東京春闘共闘は4月15日、春闘後段のたたかいを強め、STOP暴走政治、戦争法廃止、最賃全国一律1000円以上、労働法制改悪阻止などをめざし、国会周辺で中央行動を行いました。単産独自行動や財務金融行動、また全国各地でファストフードグローバルアクションも行われました。
この日はファストフードグローバルアクションに連帯して、池袋駅頭での宣伝行動からスタートしました。同アクションは低賃金で働く労働者、とりわけファストフード労働者が労働者・労働組合の権利と賃金底上げを求めて世界で同時に行動を起こすもの。日本では全労連などが2014年から行い、今回で3回目です。
池袋駅には90人が集まり、通勤通学途中の若者らに、「ファストフードの時給を1500円以上に」「最賃どこでもだれでも1000円以上」「ヤバイです 残業代ゼロで働かせ放題」などのチラシを配布。労働組合に入って、仕事も賃金も改善しようと訴えました。
昼過ぎからはコア集会が厚労省前で行われ約700人が参加。最賃大幅引き上げ、全国一律最賃制度の導入、労働法制の改悪反対などを訴えました。
国民春闘共闘の小田川義和代表委員(全労連議長)が主催者あいさつ。冒頭、九州地方を襲った地震で犠牲になった方々に哀悼の意を表し、被災された方々へのお見舞いを述べました。「平和を壊し、民主主義も利権主義も歯牙にもかけない最悪の暴走政治をやめさせる一点での運動を、春闘後半のたたかいと結んで強めよう。企業が世界で一番活動しやすい国ではなく、貧困と格差と立ち向かう国、雇用の質と量の安定へのたたかいを集中させよう」と呼びかけました。
国民春闘共闘の井上久事務局長が情勢報告。「私たちの運動が安倍政権を追いこんでいる。北海道5区補選の情勢調査では自公候補を市民・野党共闘の候補が追い抜いた。いま衆議院が解散すれば自公は30〜40議席減との話もある。しかし運動を弱めてはならない。アメリカに続き日本でも底上げの大闘争をつくろう。戦争法廃止のたたかいで野党共闘が前進している。安倍政権NOの運動を広げにひろげよう」と訴えました。
続いて5人が決意表明。厚労省に向かってシュプレヒコールで集会を締めくくり、国会請願デモに出発しました。
昼のコア集会に前後して最賃CDランクの地方組織の代表らが厚生労働省に要請したほか、財務金融行動、DNP包囲行動、大阪の組合事務所問題で最高裁宣伝や国会内で学習決起集会など単産、共闘団体の行動が行われました。
<決意表明要旨>
出版労連・平川修一副委員長
1年間で3人が在職死亡する職場がでた。そこは有休なし、社会保険なし、定期検診もない。最賃で働くとは人として生きる方法が奪われている状態。産別最賃が凍結されたことをうけ、最賃引き上げ、全国一律制の実現に取り組んできた。その一環として、企業内最賃の締結・引き上げに取り組み今春闘では9社で引き上げを実現させた。全国の最賃を引き上げるためにも力を尽くしたい。
山形県労連・勝見忍事務局長
山形の最賃は最高額より211円も低い。経営者団体と懇談するとどこも「中小零細企業にはアベノミクスの恩恵はほぼ実感ない」「人口流出が止まらない。最賃の格差是正は必要」と話していた。生計費調査結果には大きな関心が寄せられている。戦争と格差拡大は表裏一体。東北6県で新たな生計費調査運動を成功させる。
JMITU・日本アイビーエム支部 大場伸子副委員長
ロックアウト解雇の第1次・2次裁判で原告5人が前面勝訴した。この間、会社は和解を何度も持ちかけたが誰も受けなかった。それだけ怒りが大きいし、何よりお金じゃない。私たち労働者は解雇の金銭解決なんて望んでいない。誇りをもって働いている。使い捨てられるのはまっぴらゴメンだ。全面解決めざして、すべての裁判に連勝したい。
日本医労連・三浦宜子書記長
医療・介護・福祉の劣悪な労働条件と低賃金を改善しないと人手不足の悪循環を断ち切ろうとたたかってきた。5ケタの回答を引き出す組合もあり、69組合でパートなど非正規の賃上げ勝ち取った。全医労は企業に委託された院内保育園の保育士確保には賃金改善をと、委託元にも働きかけ、組織拡大すすめ過半数を確立。当事者が交渉で訴え、月額平均2万3000円、時給では100円以上引上げ1000円以下で働く労働者をなくす賃上げを勝ち取った。さらに組織をふやして時給1500円をめざす。
新潟県労連・酢山光枝さん(生協労連コープネットグループ労組中執)
新潟の最賃では1日8時間、月20日働いても12万円に届かない。生協の職場でもダブル、トリプルワークしないと暮らせない人が増えている。新潟の人口流出は昨年全国3番目。このままでは地域の崩壊がすすむばかり。最低生計費調査から生活に必要な賃金は時給換算で1402円だった。さらに最低生計費は全国どこでもほぼ同水準という結論が得られた。地方だからといって最賃が低くていいわけがない。賃金にランクはいらない。