「つかみとろう! 要求と組織の新たな前進、日本社会の未来」を―全労連は7月28日から3日間、東京都内で第28回定期大会を開催した。大会では改憲勢力が3分の2を占め、安倍政権による「2つの暴走」が加速化するもとで要求実現と150万全労連の達成にむけ新たな前進を切り拓いていく運動方針案を採択、今後2年間の運動のスタートを切った。
すべての加盟組織で増勢めざす
大会では根本隆副議長の開会あいさつに続いて、幹事会を代表して小田川義和議長があいさつ。引き続いて井上久事務局長が第1号議案「2016〜2017年度運動方針(案)」、第2号議案「組織拡大強化4か年計画<2016〜2019年度>(案)」等を提案した。
提案では2年間の運動の基調として、(1)すべての加盟組織が2016年度に増勢に転じ、社会的影響力の拡大と150万全労連にむけた新たな前進・飛躍を開始、(2)アベノミクスのグローバル競争国家づくりに反対し、賃金底上げをはじめ暮らしと雇用をまもる課題で地域を基礎に共同の前進、(3)戦争法廃止、安倍政権退陣を重点課題に改憲策動と戦争する国づくりをストップさせる、の3点を提起。
特に組織拡大強化では「新4か年計画(案)」をもとづき、すべての単産・地方組織が増勢に転じ150万全労連の実現にむけ取り組みを強化していくことを強調した。
「3つの基調」を軸に8つの重点課題を提起
また「3つの基調」を軸に8つの重点課題((1)「新4か年計画」を円滑にスタートさせ、新たな前進を開始、(2)実質賃金の底上げを実現する運動を総合的に推進、(3)安倍「雇用改革」を跳ね返し、働き続けられるルールの確立、(4)社会保障や教育の拡充を求める取り組み強化、(5)持続可能な地域経済・社会への転換を求める取り組みの強化、(6)国民的な世論と共同で、戦争法を廃止し、改憲策動を打ち破る、(7)震災復興、原発ゼロ、核兵器廃絶を求める取り組み、(8)人権と民主主義をまもり、政治の民主的な転換をめざす)を中心に取り組んでいくことを呼びかけた。引き続き、「全労連会費の引き上げ」を含む財政関連議案、全労連共済運営規定の改訂案について報告・提案した。
大会には19単産47地方組織からの代議員をはじめ、争議団、傍聴、報道関係者など561人が参加した。代議員の女性比率は21%(前回20.2%)だった。
市民との共同の前進に確信に満ちた発言相次ぐ
全議案の報告・提案を受け、討論では3日間で79人が発言した(うち文書発言12人)。
討論ではこの間の各地での戦争法廃止の共同の前進や市民と共同による参院選野党統一候補の勝利など確信に満ちた発言が相次いだ。また「全国最賃アクション(案)」の提起をうけ、格差是正に向けた最賃引き上げなど「社会的賃金闘争」の取り組み、150万全労連にむけた組織拡大強化の取り組みについての経験や決意が表明された。
3日間の討論をふまえ、井上事務局長は「反転攻勢の機は熟した」と総括答弁。新役員の選出、大会宣言案等を採択し閉会した。
来賓として純中立労組懇代表をはじめ婦団連、日本共産党、労働総研、自由法曹団、安全保障関連法に反対する学者の会からあいさつ。多数の国内、海外組織からも祝電・メッセ―ジが寄せられた。