国民春闘共闘・全労連は全国に呼びかけて10月15日、第1回目となる「最賃・ディーセントワークデー」に取り組み、15日を中心に全国25都道府県で実施されました。最賃引き上げ、全国一律最賃制度の実現や組織拡大などをめざす取り組みの一環で、今後毎月15日に実施します。
50人の参加で新宿東口宣伝行動
東京・新宿駅東口では国民春闘共闘・全労連・東京地評による宣伝行動をおこない、50人が参加しました。多くの人が行き交うなか「最低賃金あげろ」「中小企業支援は広げられる」などと書かれた色とりどりの横断幕やプラカードをかかげ、コールも織り交ぜながらアピール。チラシを配布し、署名を呼びかけました。
最初に全労連・国民春闘共闘の井上久事務局長がマイクで、「働いていても生活できないワーキングプアが深刻な社会問題になっている。最賃を1500円に改善すべきだ。最賃をあげるためには中小企業の支援も必要だ。少子化傾向を転換させ、働く人々のくらしを良くするために最賃を引き上げ、全国一律最賃制を実現しよう」と呼びかけました。また安倍「雇用改革」について、「企業のもうけのために働き方を変えるものだ」と批判。電通での過労死事件に触れ、「“働き方改革”は過労死を助長する。きちんとした労働時間の上限規制、均等待遇を実現させるには当事者の労働者がどれだけ声をあげるかにかかっている」と強調しました。
参加者も次々にマイクを握りました。「保育士の賃金は正規でも低いが、非正規はもっと低い。やりがいだけでは限界。保育士確保のためにも保育士最賃2000円を」(東京自治労連公務公共一般保育ユニオン・板本委員長)、「私たちの調査で最低限の生活をするために全国どこでも時給1500円は必要だと明らかになった。新聞代や携帯代は全国どこでも同じ。最賃も全国一律にすべきだ」(生協労連・清岡書記長)、「「病気で退職し傷病手当を受給しているが元々の賃金が低いので貧困状態。弱い人でも、病気や障害がある人も将来を自由に描ける社会にしたい。最賃を1500円にすることが希望になる」(Aequitas=エキタス・藤川さん)、診療報酬の引き下げで医療現場の賃金も厳しくなっている。安心・安全の医療のためにも働く人の労働条件改善に協力してほしい」(東京医労連・今福さん)、「中小企業の初任給は15万円未満が多い。最賃が低く据え置かれているからで、15年20年たってもあがらないところも多い。大企業は内部留保200兆円もため込んでいるのに、最賃では“企業の支払い能力論”をいうのは矛盾している」(全労連・全国一般東京地本・室井さん)、「15時間休憩なし、帰宅は日付が変わってからなど“ブラック企業”で働く人が急増し労働相談も多く寄せられている。労働組合に入って一緒にたたかい、最賃引き上げや過労死のない社会に変え、ブラック企業を変えよう」(新宿区労連・矢加部議長)など、職場・地域の実態と切実な要求を訴えました。
25都道府県で全国統一行動
10月13日〜17日の期間に行動に取り組んだ、北海道、青森、岩手、秋田、千葉、東京、山梨、長野、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、山口、香川、愛媛、福岡、佐賀、長崎、大分、鹿児島の21地方を皮切りに、月内には、全国25 都道府県で最賃・ディーセントワーク行動が予定されています。
大阪労連は天王寺で「ディーセントワーク」宣伝に取り組み、「安倍政権は働き方改革と言いながら、労働時間の上限規制を骨抜きにしたり、残業代ゼロ法で労働時間管理責任を経営者が負わなくてもよいようにしたり、金を払えば首切り自由にしようとしている。国の責任で、まじめに働けば普通に安心して暮らせる、そういう職場と社会をつくるべき」と訴えました。山口県労連は10月14日に山口市中心街で県労連・藤永議長が「最低賃金」「8時間労働」「アベ政治の働き方改革・残業代ゼロ法案」「ディーセントワーク」などのさまざまな観点から、市民へ訴え、30分で250個を超える「ディーセントワークビラ」入りのティッシュを配布しました。道労連は10月15日、札幌パルコ前で宣伝を行い、「低すぎる最低賃金、長時間労働、過労死、ハラスメント、増え続ける非正規雇用。労働組合に入って一緒に声をあげ、変えていこう」と宣伝しました。