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「しんぶん赤旗」提供 |
2月21日午後、国会内での衆院予算委員会中央公聴会で全労連・小田川議長(共産党推薦)が公述をおこなった。小田川議長は、各種統計や労働相談の事例を紹介しながら1990年台半ば以降、労働者の状態が悪化、貧困化が進んでいることを指摘。労働分配率は1999年時の66.3%から2015年には58.7%に低下し、比較可能な2012年時点でみると、先進国のなかでも日本の低さが目立つこともあげ、富の再配分の偏りで中間層が衰退している現状を訴えた。
また、政府の「働き方改革実現会議」で議論されている、(1)同一労働同一賃金の「ガイドライン案」、(2)時間外労働の上限規制案について、事態を改善するための実効性に乏しいことを指摘。ディーセントワークの実現にむけて、(1)賃金低下に歯止めをかけ、格差の是正と中間層の再生をめざした最低賃金の大幅引き上げ、(2)雇用・職業における差別禁止の立場での同一労働同一賃金の実現、(3)長時間労働の是正に向けた週15時間、月45時間、年360時間等の「時間外労働の限度基準」による絶対上限の設定と、人間の生体リズムに配慮した1日単位での11時間のインターバル規制を法定化することなどを要望した。
議員からの質問に答えるなかでは、裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度を含む労働基準法改悪案の廃案を主張した。