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2017年度労働法制中央連絡会総会
STOP! 安倍「働き方改革」!
ディーセントワークの確立を求める決起集会を開催

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 労働法制中央連絡会は9月22日、衆議院第2議員会館内で2017年度総会とSTOP! 安倍「働き方改革」!ディーセントワークの確立を求める決起集会を開催し、63人が参加した。全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表が連帯あいさつ、日本共産党の高橋千鶴子衆議院議員が緊迫した国会情勢について報告した。
 28日開会の臨時国会冒頭で解散・総選挙という情勢の中で開かれた総会では、総選挙を暴走する安倍政権を止めさせる絶好の機会と捉え、安倍「働き方改悪」をストップさせるため奮闘していくことを意思統一した。

いのちは二度と戻らない

 柴田真佐子代表委員(婦団連会長)が開会あいさつ。「過労死をなくすと言いながら、月100時間、年960時間もの残業が可能となる。同一労働同一賃金といって良いように見せかける。問題点を訴え、ディーセントな働き方を訴えるチャンスにしていこう」と呼びかけた。
 全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表が連帯あいさつ。「1日、1週間の残業規制がなく、5〜10時間の残業が続いても違法ではない。脳・心臓疾患の過労死の半数は、月100時間未満で起きている。80、100時間という規制がなされれば、労災認定の壁は高くなり、企業責任も問えなくなる。企画業務型裁量労働制が拡大されれば、電通の高橋まつりさんのような犠牲者が増えるのではないか」と指摘した。「過労死合法化を許してはいけない。いのちは二度と戻らない。これらを教訓に予防に生かしてほしい」と訴えた。

「働き方改革」には理念が欠落

 「『働き方改革』の現段階をどう評価するか」と題し、早稲田大学の浅倉むつ子教授が記念講演した。浅倉氏は、「働き方改革」について、「どんな理念があるのかが欠落している。働く人の視点がわからない。労働立法政策で語るべきは、憲法的価値をベースとした人権・基本権の調整ということが必要であり、例えば『ディーセントワーク』など、中心となる理念が必要。生産性向上とは経済優先であり、法政策とは違う」と指摘した。また、非正規問題や長時間労働の要因分析の欠落、労政審での議論が短期間であることやなぜ一括法案にしなければならないことなど十分な検討プロセスが欠落していることを指摘した。
 同一労働同一賃金について、法案要綱に「賃金の考慮要素として職務の成果、意欲、能力、経験を例示しているが、意欲、能力は客観的評価が難しい。裁判では非正規の方が低いと判断されている。どう測定するかという基準を合わせて出さないと効果はない」指摘した。
 残業上限規制について、ワーク・ライフ・バランスを実現するための労働時間短縮には効果がないこと、長時間労働を助長するグレーゾーンが拡大するという逆効果があること、過労死認定裁判でも逆効果であることなどを強調した。

雇用によらない働き手を増やす

 総会での主催者あいさつを小越洋之助代表委員(労働総研代表理事)が行った。小越氏は「安倍『働き方改悪』は労基法を解体するもの」と指摘。また、多様で柔軟な働き方について、「雇用によらない働き手を増やすということは、労働組合の存在、権利がなくなってしまう。総会では、働き方改悪の問題点をはっきりさせ、中身を深めていこう」と呼びかけた。

 議案提案を伊藤事務局長(全労連雇用・労働法制局長)が行った。安倍「働き方改悪」をめぐる情勢、労働法制に関わる法案の状況、自由法曹団と協力し、安倍「働き方改悪」の検討会を連続で開き、そのまとめとして決起集会を開いたことなどの取り組みを報告。安倍政権と財界が描く「働き方の未来」について、「『働き方の未来2035』が狙う、多様で柔軟な非雇用型の働き手を増やすということは、すべての働くという活動を相手方と契約を結んで行うということになり労働法ではなく民法が基礎となる。労政審の基本部会で議論がされ、着々と進められている」と強調した。
 取り組みとして、「働き方改革」や労働政策・課題の分析・検討、国会請願署名「過労死と職場における差別の根絶を求める国会請願署名」やネット署名「「8時間働いたら帰る、暮らせるワークルールをつくろう。」の推進、10・25野音集会への結集、地方連絡会の活動強化などを提起した。

 「過労死と差別を容認し、無権利労働を拡大する『働き方改革』一括法案」と題し、自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士が批判。雇用対策法について、本来の労働者の受給調整をきちんとするという主旨が、労働生産性の向上のためと変質するという改悪であること、高度プロフェッショナル制度について「104日の休暇は週休2日で年末年始もなく24時間働かせることができる。指揮命令をしてはいけないということは条文上ない」ことを指摘した。
 裁量労働の拡大は、裁量労働sでメンタルヘルス不全が増えており、チェックが必要であること、残業上限規制は過労死ラインを容認するものであり、1日単位の規制やワーク・ライフ・バランスの観点が必要であること、派遣法については、派遣先正社員と派遣労働者で人材活用のしくみが同じである人はいないということが懸念されること、同一労働同一賃金については、正規と非正規格差の立証責任が使用者にないのでは、格差が固定化し拡大する恐れがあることを指摘した。

無期転換前に雇止め

写真 討論では、8人が発言した。「来年4月の無期転換を前に3月末での雇止めが危惧されるが、ある大手印刷会社との団交で、口頭ではあるが、雇止めはしないと約束させた。職場に改悪を入れさせないという構えで、労働法制の改悪阻止する」(MIC)、「総合労働相談員など非常勤職員が担っているが、契約更新は2回までで、その労働者が継続勤務を希望していても理不尽な公募がされている。いますぐ廃止すべき」(全労働)と、非正規雇用に関わる問題が話された。

人手不足で長時間労働

 「100、80時間と人が死ぬことがわかっている時間が上限として提案されていることは許せない。実態調査では、慢性疲労を感じている、薬を常用しているという人の割合が7割。健康を害している人に支えられている医療は異常だ。24時間支えなければならない業務なのだから、夜勤・交替制勤務ということを加味した規制が必要」(医労連)、「自治体公務職場も人手不足で長時間労働。地方公務員も労基法が適用されるが、33条3項(公務のために臨時の必要がある場合を理由に規制なく働かすことができる)で臨時でもないのに、残業は青天井という実態がある。職場に足を踏み出して実態調査を行い、人員要求をしている」(自治労連)、「毎月100時間の残業が3年続いていると相談があった。人を増やすことが大事だ。労働生産性の向上というとPDCAを回していくことで労働者は追いまくられる危険性がある」(国公労連)と、職場に広がる長時間労働の実態が報告された。

職場・地域から安倍「働き方改悪」ストップ

 「11月7日が秋闘の回答指定日、8日は統一行動日として、年末一時金と働き方改悪を位置づけストで決起する」(JMITU)、「秋のキャラバンで働き方改悪を位置づけた。9月30日に伊藤事務局長を講師に学習し理論武装し、10月2日にキャラバンでまわる。地域でミニ学習会を開き、語れる人をつくる。地域に署名を持って出かけ懇談する」(秋田)、「連絡会として弁護士などと実行委員会を作り、トラックや介護の労働実態について本人が語る集会の開催やデモでのアピールなどをしてきた。安倍を退陣させる運動が必要だ」(愛知)と、さまざま取り組みについての報告がされた。

安倍政権を葬りさろう

写真 岩橋祐治代表委員(全労連副議長)は、「総選挙で自公を過半数割れ、安倍政権を葬りさろう。働き方改悪一括法案を成立させない国民的なたたかいを作っていこう」と呼びかけ、団結がんばろうで閉会した。

 
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