全労連は全国一律最低賃金の実現と、時給1500円の実現を参議院選挙の争点にすることを目指して6月24日に厚生労働省内で記者会見を行った。記者会見では、人間らしく生活するには全国どこでも時給1500円以上が必要だという最低生計費調査の結果を報告し、最低賃金を全国一律制へ改め、ただちに1000円以上にして1500円をめざすことを求めた。
全労連はこれまでも最低生計費調査を都道府県や都市単位で実施してきた。今年発表した3府県の調査で、25歳独身男性が生活するには月150時間労働で時給換算したところ、山口市1612円、京都市1639円、鹿児島市1584円が必要だという試算結果になった。
会見した野村幸裕事務局長は、「最賃が上がれば、若者が地元で働く動機になり、地域経済への効果も大きい」と指摘。中小企業支援策として、フランスの社会保険料減免などを例に賃上げへの直接支援、大企業との公正取引、公契約条例や有効需要創出を行うべきだと強調しました。また、黒澤幸一事務局次長は、最賃改定の審議への反映とともに、全国一律化の法改正をめざし、「参院選で大きな争点にしたい」と述べた。
最低生計費調査を監修した中澤秀一静岡県立短大准教授は、「地方は住居費が安い代わりに、移動に必須の自動車維持費がかかるなど、どこでも月額で22万〜24万円程度が必要になる。最賃の地域格差には根拠がない」と強調。「生計費にもとづいて審議してほしい」と強調した。