◆現場の実態訴え会見
全労連、中央社保協、医団連で構成(※1)する「医療・介護・保健所の削減やめて!いのち守る緊急行動」は6月24日、厚労省にて記者会見を行いました。
小畑雅子共同代表(全労連議長)は、この間の署名や223の議会で採択されたことを振り返り、「これほど国民の声が集まったにも関らず、国会に提出した署名は審議未了、さらに病床削減、高齢者の医療費窓口負担倍化の法案可決に強く抗議する」と訴え、「保健所の拡充設置、医師・看護師・保健師の増員、公立公的病院の再編統合リスト撤回と拡充」を政府に求めることを表明しました。
保団連の住江憲勇会長は、「疲弊した医療体制の立て直しが喫緊の課題」と指摘。全医療機関への減収補填に加え、医師看護師の充足に向けた施策をはじめ、現在の施策の見直しを求めると訴えました。
全日本民医連の岸本啓介事務局長は、「命を選別する事態が全国で起きた。二度と起こしてはならない」とし、「地域医療構想の見直しを撤回し、医療体制の確立が必要」と強調。「今、医療機関ではワクチン難民を出さないために土日もワクチン接種を行い、第5波への対応準備をしている。」と医療機関の実情を訴え、今回の行動で「医療従事者としての使命を果たしていきたい」と訴えました。
◆オリンピックは中止し感染拡大に集中を
日本医労連の森田しのぶ中央執行委員長は、「職場アンケートで離職者数は減っているが、これらの結果は患者のいのちを守る使命感や、現場でともに働く仲間を裏切るわけにいかないという正義感の現れ。今は心が折れてメンタル不全や現場を去る従事者がではじめている。このような状態で五輪開催によって感染拡大したら絶望感と喪失感で離職者、メンタル不全はさらに増え、医療崩壊が進む。五輪は延期・中止し私たちの願いを真摯に受け止めてほしい」と訴えました。
中央社保協の山口一秀事務局長は、「五輪ではなく地域の医療、安全安心の地域・医療・社会保障を作ることが求められている。」と指摘。五輪開催によってコロナの蔓延が予想されるとし、五輪開催の中止と、安全安心の地域・医療・社会保障をつくることが求められると訴えました。
◆本日、厚労副大臣へ緊急要請
本日25日、三原じゅん子厚労副大臣に対し、「保健所の拡充設置と、医師・看護師・介護職・保健師等の増員について、その必要性を認め、拡充・増員計画を示すこと」、「公立・公的病院の再編統合『再検証リスト』を撤回し、感染病床の拡充設置と、その大半を担う公立・公的病院の拡充計画を示すこと」の2点について、緊急要求書を提出しました。
要請には小畑共同代表をはじめ、保団連、全日本民医連、日生協、日本医労連から各代表が参加。
各団体より、「命の選別がすでに行われている」「現場は第5波にむけて準備している状態で疲弊している」などの医療・福祉現場の実態が訴えられました。
◆「丁寧に回答する」〜三原厚労副大臣〜
8月6日を回答期日とした今回の要請に対し三原厚労副大臣は、「丁寧に回答させていただく。人流は増えておりデルタクラスターが心配な状況」とし、「これ以上感染が拡大しないよう、また、医療従事者の方が『救えるいのちが救えない』事態にならないよう尽力する」と応答。「8月6日までに回答したい」としました。一方で、公立・公的病院の再編統合「再検証リスト」の撤回については、「私たちの考えもある」とし、言及しませんでした。
◆全国で共同をつくろう
9月5日を山場とし、全国の地域で「全国一斉蜂起0905」としたパレードや集会を準備しましょう。それに向け、地域では労働組合や各団体での共同行動の構築を進めましょう。また、菅首相への手紙「コロナ禍で私が経験したこと」の声を集めることをすべての職場・地域で取り組むことが行動の柱となります(WEB用フォームを作成中)。
※1 医療・介護・保健所の削減やめて!いのち守る緊急行動 構成団体
全国労働組合総連合(全労連)、中央社会保障推進協議会(中央社保協)、医療団体連絡会議(医団連:全国保険医団体連合会(保団連)、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)、日本医療福祉生活協同組合連合会(医療福祉生協連)、新日本医師協会(新医協)、日本医療労働組合連合会(日本医労連))
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