「共謀罪」 新設反対
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共謀罪は、憲法の保障する思想・信条の自由や内心の自由、言論・表現の自由を侵す憲法違反の法律です。政府は、「日本が批准した越境組織犯罪防止条約に共謀罪が盛り込まれているから」とか「犯罪が多発しているから」といっていますが、いまの日本に共謀罪を導入する必要はありません。この法律の本当の狙いは、「戦争をする国」づくりや憲法改悪、悪政に反対する国民の声を抑えようとするところにあります。 刑罰というのは、本来、実際におこなわれた犯罪行為に対して科せられるものです。しかし、共謀罪とは、犯罪被害がなくても、凶器を買ったり、段取りをするなどの準備行為がない段階でも成立します。心で思うことが取り締まりの対象になるのです。 他人のウソで犯人に仕立てられる 共謀罪が導入されると、犯罪をおこなう「合意」があったことが検挙の対象になるため、捜査を口実にして警察が国民全体の監視を強めます。「話し合い」が対象となるため、盗聴捜査の大幅拡大やスパイをもぐりこませる捜査も考えられます。また、共謀罪では、自首した場合減刑されるので、他人(「共犯者」)のウソで「犯人」に陥れられる危険もあります。
自民・公明与党は、今国会での共謀罪の成立を狙っています。
このような反対の広がりに、政府・与党は修正案=(1)取締り団体を犯罪の実行をする「共同の目的」をもった団体に絞る、(2)処罰の対象を「犯罪の実行に資する行為」があった場合とする=を出してきました。 さらに「再修正」として「労働組合その他の団体の活動を制限することがあってはならない」との修正も加えられました。しかし、(1)(2)とも、規定があいまいであり、「労働組合」が例示されても、過去の同種の規定からほとんど実効性を持たないことは明らかです。警察の恣意的判断でいかようにも拡大解釈・乱用をされる危険があります。現行法の下でも、憲法で保障されたビラ配布活動を「住居侵入罪」として逮捕する事件が起きています。 与党の修正案は、共謀罪の危険な本質をなんら変えるものではありません。共謀罪ができれば、政府に批判的な団体の活動はつねに監視され、弾圧される恐れがあります。
与党は再度の修正を行い、成立を狙っています。しかし、実行行為を処罰するのではなく、話し合ったり相談することを処罰するという問題点は変わりません。
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