【談話】

野党4党の「3割負担凍結法案」の国会提出にあたって

早急に委員会審議の開始と法案の成立を求める

2003年2月12日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫


 本日、民主党、自由党、日本共産党、社民党の野党4党は共同して「3割負担凍結法案(健康保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案)」を国会に提出した。全労連は、この「凍結法案」の国会提出を歓迎し、早急に委員会審議を開始するとともに、法案の成立を強く求める。そして、2・20全国統一行動を中心として、2月3月の短期間、国会に向けて職場・地域から全力をあげて運動を強める決意である。

 この「凍結法案」は、「被保険者の療養の給付に係る一部負担金の割合およびその被扶養者の入院時の自己負担割合を2割から3割に引き上げる改正を別に法律に定める日まで凍結すること」を求め、国民健康保険法および船員保険法、国家公務員共催組合法、その他の共済組合法の各法の一部についても凍結を求めている。

 労働者・国民は、1984年の健保本人10割給付の廃止以来、度重なる医療改悪による負担増を強いられてきた。政府は、平成4年に政管健保の財政が黒字であるとの理由で16.4%の国庫負担を13%に削減した。財政が悪化したら元に戻す約束はいまだ実行されていない。この国庫負担削減の累積額は約1兆6千億円となり、今回の改悪による国民負担増の1兆5100億円を見れば、政府の約束を実施すれば、今回の3割負担増をはじめとする医療改悪はストップできる。

 本日、日本医師会など4師会は、「本日実施凍結宣言日」として、「サラリーマンの自己負担3割」凍結を求める新聞意見広告を発表した。全労連はこの意見広告にも賛意を表明する。

 今日、完全失業率が5.4%、失業者360万人、企業倒産はついに2万件にも及んでいる。労働者の賃金は4年連続でダウンしている。このようなときに、保険料に総報酬制が導入されれば、年収450万円(一時金4カ月)の場合で、年間37,500円程度の負担増となり、そのうえ本人3割負担が導入されれば、国民生活に多大な影響を及ぼすことは必至である。そうなれば、ますます個人消費は減速し、景気悪化、デフレ経済の悪魔のサイクルの深みにはまることとなる。

 真っ先に政府がすべきことは、労働者の雇用と生活を安定させ、保険料収入の基盤を維持すること、政管健保への国庫財政を約束どおりに戻すこと、高すぎる薬価と医療機器の価格にメスをいれ、病気予防・早期発見のシステムを拡充することである。  医療改悪、健保本人3割負担増は直ちに凍結し、健康保険制度を根本から見直すべきである。


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