【談話】
大幅給付削減と負担増の雇用保険改悪法案の採決に抗議する
2003年4月15日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫
- 本日、衆議院厚生労働委員会と本会議において雇用保険改悪法案が採決されたことに、全労連は強く抗議する。
- 雇用保険改悪法案の内容は、基本手当の給付率と給付日数の削減をはじめほとんどの給付を削減するとともに保険料は引き上げ、もっぱら労働者と失業者に犠牲を転嫁するものである。厳しい財政状況を理由にしているが、その原因は大企業を中心とするリストラ・人減らし、賃金・労働労働条件の切り下げと雇用の不安定化の推進による失業者の増加にあり、それを国が強力に支援・奨励してきたことにある。にもかかわらず、失業発生を抑制し雇用を創出する責任と政策は放置されたままの改悪である。
さらに今回、「求職者給付受給者の責務」と「失業認定の方法」が規定されるとともに「就業促進手当」が創設され、「早期再就職の促進」の名のもとに給付抑制と低賃金・不安定雇用への誘導が強要される重大な改悪が含まれている。これは、失業時の生活を保障することで「職業選択の自由」を担保する雇用保険制度本来の性格を変質させるものであり、断じて許せないものである。
こうした重大な問題を含む改悪法案であるにもかかわらず、委員会での審議はわずか3日間にすぎないし、附帯決議を付けただけで、何等の修正もされていないことはまことに遺憾である。
- 今日の厳しい雇用失業情勢のもとで、雇用保険制度は改悪ではなく改善が求められているし、解雇規制をはじめとする失業の抑制と雇用創出の政策こそが必要である。
全労連は、雇用保険制度の抜本改悪に強く反対し、参議院段階での慎重・徹底審議と廃案を求め、引き続きとりくむものである。