【談話】
ILO結社の自由委員会勧告について
〜国際世論を受けとめ、政府は民主的公務員制度を実現せよ〜
2003年6月21日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫
- ILO理事会は20日、全労連・連合が提訴していた日本の「公務員制度改革」に関わる案件(2183号、2177号)に対して「公務員の基本的権利に対する現行の制約を維持するという、その言明した意図を再考するようあらためて強く要請する」としたILO結社の自由委員会の「報告・勧告」を採択した。
全労連は、昨年11月のILO勧告に引き続き、道理ある主張が国際舞台において全面的に認められたことを高く評価するものである。
- 「勧告」の内容は、現在すすめられている「公務員制度改革」を見直し、結社の自由原則に則って公務員にストライキ権を付与することなどについて、労働組合との全面的な協議にもとづく「合意」を求めている。
これらは、全労連が「歴史的・画期的」と評価してきた昨年11月のILO勧告の立場をつらぬき、あらためて日本政府がすすめる「改革」の内容とすすめ方を全面的に批判したものである。政府は、ふたたび示されたILOの判断を真摯に受けとめ、労働基本権の確立をはじめ国際労働基準にもとづく公務員制度の実現に努力すべきである。
- 一方、昨年のILO勧告を「承服しがたい」としてきた日本政府は、国会が延長されるもとで、いまだに「公務員制度改革」関連法案の国会提出をねらっている。
この間、政府は、「追加情報」を提出してまで、ILOに「理解」を求めてきたが、結局は、日本政府の主張が、国際的な常識に照らし合わせて、到底受け容れられるものではないことを繰り返して明らかにするところとなった。国際世論に挑戦する日本政府の恥ずべき態度こそあらためられるべきであり、その出発点として、「公務員制度改革大綱」を撤回し、改革にむけた作業を白紙からやり直すべきである。
- 今回の報告の中でも指摘しているように、民主的な公務員制度を確立していくうえで、「全面的で率直かつ意味のある協議」の実現は不可欠である。そのことから、全労連は、ILO勧告にそった公務員制度改革にむけて、担当大臣をふくめた協議の場が実現するよう政府に繰り返し要求する。
全労連は、2度のILO勧告の意義を深く受けとめ、国民犠牲の「公務員制度改革」を許さない世論と運動をひろげつつ、労働基本権回復など「働くルール」確立をはじめ、「天下り」禁止や政官財癒着の根絶など、国民の願う公務員制度の実現に全力をあげる決意を新たにするものである。
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