【談話】
国民への新たな痛み、負担増を強いる「骨太方針第3弾」に反対
〜「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」の閣議決定にあたって〜
2003年6月27日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫
- 政府は本日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」(骨太第3弾)を閣議決定した。
本基本方針は、規制改革と社会保障改革、財政健全化を「3つの宣言」として打ち出し、国と地方を通じて税・財政の「三位一体」の改革、規制改革、社会保障制度の改革など7分野の改革の方向性を打ち出している。01年、02年に続く「骨太方針第3弾」であり、その内容は規制緩和と自助努力を中心とした社会保障制度改悪、増税による新たな負担増など国民への更なる「痛み」を強いる内容となっている。
- 「雇用・人間力の強化」では、人減らしを促進する一方で、雇用制度の改革やサービス分野の規制緩和などによって「530万人雇用創出」をはかろうとしているが、現在の5.4%、375万人という深刻な雇用・失業情勢にさえ、何ら有効な手立てさえも打てない現状のなかで、その実効性に疑問を持つものである。
- 社会保障制度改革では、持続可能な社会保障制度の構築・負担と給付の適正化という大義名分において、年金保険料の引き上げ、「調整」という名目での給付切り下げ、保険料の徴集強化、高齢者医療制度創設など新たな国民負担増など社会保障分野全般で、よりいっそうの国民負担の増大と社会保障給付の抑制を押し付けるものである。医療への国庫負担を削減しつづけ、いまだ基礎年金の国庫負担を2分の1にする約束も履行せず、失業・倒産での社会保険料の急減、国保・国民年金保険料の未納など、経済失政のツケを国民にまわし、自助努力と民間部門の活用による制度改革は、政府の責任を放棄するものである。
- 全労連は小泉「構造改革」によって大量の失業者が常態化し、さらに労働者・国民生活は危機的事態におかれ、明日への希望をもてず多くの国民が「雇用や生活」「将来」への不安を抱えている。
いま政府がおこなうべきことは、労働者・国民が安心して生き、働けることのできる経済・社会システムを確立することであり、大企業の横暴を規制し、中小企業の経営安定と地域経済の発展にむけた具体的施策を打ち出すことである。これらの実行にこそ、日本経済再生への道がある。
全労連はその実現にむけて引き続き奮闘する決意をここに表明するものである。
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