【談話】
03年厚生労働省「労働組合基礎調査」について
2003年12月17日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫
- 厚生労働省は本日、2003年労働組合基礎調査の概況(6月30日現在)を発表した。それによると、労働組合員数は1、053万1千人で前年に比べ26万9千人減(2.5%)、9年連続の減少となった。全雇用者数5、373万人のうち労働組合への推定組織率は19.6%で前年より0.6ポイント低下し、1983年に29.7%に転落して以来20年にして10%台に落ち込んだ。
一方、パートタイマー労働者は1、098万人で、労働組合員数は3万8千人(13.1%)増え33万1千人となり、全組合員数に占める比率は3.2%、推定組織率は3.0%となった。
- 主要団体別の組合員数は、産業別労働組合員数に都道府県単位の地方組織に直加盟している組合員を合わせると、連合680万7千人(前年比13万8千人減)、全労連99万3千人(同2万5千人減)、全労協16万6千人(同5千人減)であり、主要団体別の労働組合員数に占める比率は連合64.6%、全労連9.4%、全労協1.6%、その他24.4%である。
- 労働組合組織率低下の背景には、大企業のリストラや新規採用抑制が全産業・全事業所規模に広がり、正規雇用から非正規雇用への置き換えなど労働力の流動化が大規模に進められていること、公務関連労働者が定員削減や独立行政法人化によって人員が急減していることがある。一方、全労連を含め既存の労働組合が産業構造の変化や労働者状態の変化に十分対処しきれず、膨大な未組織労働者の組織化に成功していない問題がある。
- 全労連の調査(2003年6月末時点)による全労連の構成組合員は、産別組合員95万7千人、地方組織のみ加盟が27万8千人、地域組織のみ加盟が9万3千人、計132万8千人である。厚生労働省調査と全労連調査との乖離は33万4千人あるが、これは厚生労働省が全労連加盟の年金者組合や地域組織単独加盟組合員をカウントしていないことによるものである。政府・厚生労働省は、全労連加盟組織の全体を正しく把握し中労委労働者委員や各種審議会委員の公正任命をおこなうべきである。
- いまや日本の労働組合組織率の低下に歯止めをかけ増勢に転ずる課題は、「社会的怒りの受け皿」「社会的不条理に立ち向かう」たたかう労働組合の存在と役割が問われる問題であり、すべての労働者・労働組合が緊急かつ共同の責任で取り組まなければならない。全労連は本年度より組織の拡大強化を目的とした組織拡大推進基金の運動を展開し、全組合員参加の組織拡大運動によって減勢から増勢に転ずるよう全力を傾注するものである。
以上