【声明】
賃金職員の雇い止め方策に抗議し、撤回を求める
2003年11月10日
国立病院職員の雇い止め阻止全労連闘争本部
全日本国立医療労働組合
厚生労働省は、来年4月1日に独立行政法人に移行する国立病院の賃金職員の雇用問題についての方策を本日一方的に発表しました。
この方策は賃金職員全員を一旦雇い止めした上で、病棟勤務を希望する看護師については、定数の範囲内で常勤職員として優先採用することを打ち出す一方、看護助手など行(二)等の職員については、業務委託や非常勤職員化を検討するとなっており、これは労働者の生活破壊を招くとともに、人減らし、チーム医療の崩壊、医療水準の低下を招き、地域医療に深刻な事態をもたらすもので、断じて受け入れがたい内容を含んでいます。私たちは当局に対し、賃金職員の独立行政法人移行に際する雇用継続問題について、労働者の雇用問題にとどまらず、国立病院の医療水準に関わる重要問題であり、「定員職員」と同様に独立行政法人への雇用継続を求め、労使協議を要求してきました。
このことについて坂口厚生労働大臣は昨年の臨時国会で、労使協議の必要性・重要性を答弁しており、その直後にもたれた労使交渉においても「円満な労使関係が必要」であることを表明しました。さらに独立行政法人国立病院機構の理事長予定者に指名された矢崎義雄氏(国立国際医療センター総長)は、本年10月10日に行われた全医労との面談において、「労組との話し合いは、準備が出来次第すすめていく。独立行政法人の円滑なスタートのために、ご協力をお願いしたい」と発言しました。
その後、当局側は10月30日に初めて全医労との「意見交換」に応じましたが、双方の主張には大きな隔たりがありました。そのため独立行政法人の円滑なスタートのためにも労使合意に向けた努力を続けることが必要であり、引き続き全労連と厚生労働省、当該全医労との意見交換・労使協議の場を持つことを要求してきました。
にもかかわらず本日、突然の発表と一方的な通告がおこなわれました。今般の当局側の対応は、国会答弁、矢崎氏発言などの経緯をまったく無視し、労使間の信義も乱暴に踏みにじる由々しい暴挙であり断じて認められません。しかも、労働者の雇用や権利を擁護すべき厚生労働省が、雇用継続どころか雇い止め方策を強行するなどということは、万が一にもあってはならないことです。
私たちは厚生労働省が、賃金職員のこのような雇い止め方策を直ちに撤回し、全員の雇用継続のため誠意を持って労使協議に応ずることを要求するものです。