【談話】

年金改悪法案の衆議院本会議採決強行に怒りを持って抗議する

2004年5月11日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫


 本日衆議院本会議で、政府提出の「国民年金等の一部を改正する法律案(年金改悪法案)」など関連法案が採決強行された。満身の怒りを持ってこの暴挙に抗議する。

 直近のNHK世論調査でも88%の国民が、政府の年金改悪法案に危惧を持っており、閣僚の年金未加入や保険料未納に対し、年金不安と政治不信を拡大させている。そのうえ公聴会も設定せず、短時間の審議で成立させることは、到底国民の納得が得られるものではなく、国民無視も甚だしい。政府の年金改悪法案は断固廃案を求める。

 特に、自民・公明・民主によって本日可決した「3党合意による修正案」は、保険料の連続引き上げや給付の自動削減には何ら是正を要求せず、さらには政府案にない消費税の引き上げに道を開くものであり到底容認できるものではない。

 この間の審議のなかで保険料の上限の固定や給付の50%下限については、政府のまやかしも崩れてきており、政府案の「100年安心」も数年しかもたないことも明らかになってきた。国民の納得がいく審議が求められている時に、この財界の要請に基づいた「3党合意による修正案」は、本日の採決の日程まで合意されたものであり、「政府案には反対」とする弁明を持っても民主党の責任は到底免れるものではない。

 全労連は、以下のことを緊急に要求する。

 (1)今回の年金改悪法案の廃案と全額国庫負担の最低保障年金の創設

 (2)国民世論を無視した3党合意は直ちに撤回をすべきであり

 (3)年金財源には消費税を充てないこと

 (4)年金未加入・保険料未納閣僚の辞任とすべても国会議員の加入・納入状況の公開を強く求めるものである。

 このことが何よりも国民の年金制度への信頼を戻す確かな道であると考えるからである。

 全労連は、参議院段階に移った年金制度の審議にあたって、国会の年金審議に対する国民的関心の高いことを踏まえ、年金制度史上最悪の政府案の廃案を求め全力でたたかう決意である。