【談話】
04年厚生労働省「労働組合基礎調査」について
2004年12月14日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫
1.厚生労働省は本日、2004年労働組合基礎調査結果の概況(6月30日現在)を発表した。それによると、労働組合員数は1,030万9千人で前年に比べ22万2千人減(2.1%)、10年連続の減少となった。全雇用者数5,371万人のうち労働組合への推定組織率は19.2%で前年より0.4ポイント低下した。一方、パートタイマー労働者は1,107万人で、労働組合員数は3万1千人(9.51%)増え36万3千人となり、全組合員数に占める比率は3.6%、推定組織率は3.3%となった。主要団体別の組合員数は、産業別労働組合員数に都道府県単位の地方組織に直加盟している組合員を合わせると、連合672万6千人(前年比8万人減)、全労連97万8千人(同1万6千人減)、全労協16万人(同6千人減)であり、主要団体別の労働組合員数に占める比率は連合65.2%、全労連9.5%、全労協1.6%である。
2.全労連調査(2004年6月末時点)による全労連の構成組合員は、産別組合員94万1千人、地方組織のみ加盟が27万人、地域組織のみ加盟が8万5千人、計129万7千人である。厚生労働省調査と全労連調査との乖離は31万9千人あるが、これは厚生労働省が全労連加盟の年金者組合や地域組織単独加盟の組合員をカウントしていないことによるものである。2006年発足の労働審判制度の労働側推薦数が本基礎調査に基づいて都道府県毎に割り振られることや、中労委労働者委員、政府審議会委員の任命にも影響することを考慮するなら、厚生労働省は、全労連加盟組織の全体を正しく把握し公正に発表すべきである。
3.労働組合組織率低下の背景には、大企業のリストラや新規採用抑制が全産業・全事業所規模に広がっていることや、正規雇用から非正規雇用への置き換えなど労働力の流動化が大規模に進められていること、組織率の高い公務員労働者が定員削減、外部委託などによって急減していることなどに対して、全労連を含め既存の労働組合が十分対処しきれていないことがある。
組織率低下に歯止めをかけ組織を増勢に転ずるためには、産業構造の変化や労働力の流動化に対応した個人加盟組織や、組合員の要求を真に実現することができるたたかう労働組合が必要である。さらに、増大する不安定雇用労働者の組織化は全労連の最大課題である。全労連は、組織の拡大強化を目的とした組織拡大推進基金を設置し、本年から全国に全労連オルグを配置した。今後、全組合員参加の組織拡大運動によって組織の減勢に歯止めをかけ増勢に転ずるよう全力を傾注するものである。
以 上