【談話】
第162通常国会の開会に当たって
2005年1月21日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫
小泉内閣は、本日第162通常国会を開会した。
今国会には国民生活と日本のあり方に関わる極めて重要な法案が山積しており、07年度からの消費税大増税に向けた準備法案と憲法改悪に向けた地ならし法案が目白押しの歴史的な国会となっている。第一に、憲法改悪と一体と言われる教育基本法の全面的な改悪がねらわれている。また、憲法調査会に国民投票法の審議を委ねる国会法「改正」、国民投票法案が上程されようとしている。これらは、憲法改悪に向けての地ならし法案とも言えるものである。
第二に、総額3.3兆円の定率減税を06年度からの廃止も視野にいれて05年度に半減することがねらわれている。定率減税は1999年に法人税減税、所得税率の見直しとともに景気対策として行われたものであるが、法人税2.7兆円、金持減税2.7兆円を据え置いたままでの低所得者への一方的な増税は、自民党政治の大企業優先、国民犠牲の政治姿勢を端的に示すものである。
第三に、この間実施された消費税の内税化と免税点の引き下げ、年金保険料のあっぷ、老年者控除等の廃止・縮小などに加えての定率減税の縮小は、7兆円に上る国民負担増を押し付けるもので景気と国民の暮らしに破局的な打撃を与えることは明らかである。
第四に、05年度予算では関西空港の二期工事や整備新幹線建設などの無駄な公共事業、米軍の再編強化といったいの海外遠征型軍拡予算、介護保険などの社会保障の改悪をおこなおうとしているが、無駄な公共事業や軍事費こそ削減すべきである。
第五に、国民共通の財産である郵政公社を民営化し、庶民の財産である郵便貯金を大銀行や外国資本に解放し、全国ねっとさーびすの郵便事業を市場原理に委ねようとする郵政民営化法案は、全国ねっとのさーびす網を破壊するものである。
小泉政治は、郵政民営化、「三位一体改革」、年金改悪、大増税などで国民との矛盾を激化させ、自民党の支持基盤からも強い反発を受けている。また、憲法改悪、とりわけ第9条の改悪に反対する声は日増しに増え全国に広がってきている。
全労連は、自民、民主の二大政党体制が強まるもとで、小泉自公政治の実態を全面的に明らかにするとともに国会を国民の要求を実現するために全力をあげる。また、二大政党の消費税増税や憲法改悪などの悪政の競い合いに反対し、国民こそ主人公の国会にするため全力をあげる。そのため、広範な国民諸階層との要求の一致点による共同を広げ、労働者・国民の苦難と要求を解決するために草の根からの運動を全国で展開する。