【談話】

衆議院憲法調査会の最終報告について

2005年4月15日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内 三夫


 衆議院憲法調査会は本日15日、同調査会としての最終報告書を自民・公明・民主が共産党、社民党の反対を押し切って議決し、衆議院議長に提出した。

 憲法調査会の目的は、「日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行う」ことにあり、調査を終えたときは、調査の経過及び結果を記載した報告書を作成し、会長からこれを議長に提出するものとされている。

 しかるに、今回の衆議院憲法調査会の最終報告書は、この「広範かつ総合的に調査」の設置目的を逸脱しているだけでなく、国民が望んでもいない憲法の改悪に道を開くものとして断じて許されない。

 もっとも重大な問題は、今後の憲法論議等で「憲法調査会の基本的な枠組みを維持しつつ、これに憲法改正手続き法(日本国憲法96条1項に定める国民投票等の手続に関する法律案)の起草及び審査権限を付与することが望ましいとする意見が多く述べられた。」と記述されたことである。これは、改憲勢力が国会で圧倒的多数を占めるもとで、憲法調査会を憲法改悪のための国民投票法案の起草・審議機関とすることを狙ったものである。

 全労連は、自民党、公明党、民主党が、憲法改悪への一里塚としての国民投票法の制定をしようとしているもとで、「憲法問題を取り扱う国会の常設機関」は設置すべきではないと考える。この際、憲法調査会そのものは役割を終えたものとして解散すべきである。

 全労連は、憲法調査会の常設機関化=国会法改定及び国民投票法案に対して強く反対するとともに、憲法を暮らしと政治に生かすたたかいを職場・地域から全力で展開する。