【談話】

第163特別国会開会にあたって

2005年9月21日
全国労働組合総連合
事務局長 坂内三夫


  1.  21日、衆院選の結果をうけて第163特別国会が開会した。通常なら首相指名選挙をはじめ衆院正副議長人事など数日程度の会期が通常にも関わらず、今回は11月1日までの42日間という異例の長期にわたる会期となった。
     政府与党は、「与党大勝」の余勢を駆って、廃案になった郵政民営化法案をはじめ障害者自立支援法案、労働安全衛生法一部改正案の再提出、テロ対策特措法など22本にわたる法案の成立を狙っている。

  2.  先の第44回総選挙で政府・与党は、衆院全体の3分の2を占める議席を獲得した。これは国会運営においてすべての常任委員会での法案採決、参院否決の場合でも衆院で再可決できる勢力である。また憲法改正にむけた発議が可能な議席数を与える結果となった。この結果をうけて、「数の力」を背景に国会運営における横暴ぶりをはじめ国民投票法案審議にむけた憲法特別委員会の設置、定率減税の07年全廃を決めるなど矢継ぎ早に憲法改悪、大増税路線への道をひた走ろうとしている。

  3.  しかし、先の総選挙得票数で見れば、自公は50%であり、小選挙区では49%に留まっており、郵政民営化で「国民の信を得た」とは到底言いがたい。また選挙後の世論調査(9・21付読売新聞)でも、「小泉内閣に優先して取り組んでほしい課題」のトップは、「年金など社会保障制度改革」で、郵政3事業の民営化について17項目中9番目というのが実態である。これを見ても国民が政府与党にすべてを「白紙委任」したものではない。むしろ、今回の自民党圧勝に6割を超える国民が「不安」(JNN調査)を抱えているのが実情である。
     また、17日に民主党新代表に前原誠司氏が就任した。野党第1党として積極的な役割を期待するところだが、自民党・武部幹事長が「歓迎」を表明するなど憲法や郵政民営化問題では自民党に近く、とくに憲法改悪にむけた国会論議が一挙に進む危険性をはらんでおり、注視していかなければならない。

  4.  全労連は今国会開会にあたって、労働者・国民の要求とたたかいに依拠し、郵政民営化をはじめ憲法改悪、大増税路線への企みに反対し、国会内外のあらゆる勢力を総結集し、労働者・国民のくらしと雇用、生活を守り、悪政阻止に向けて、奮闘することをここに表明するものである。

以上